植物のタネはとても小さいのに、どこから大きな葉が出てくるの?

種子の中にある胚が発達します

みなさんはカイワレダイコンを見たことがありますか? カイワレダイコンは、ダイコンの発芽直後のものです。カイワレとは子葉(双葉)のことで、発芽した直後に、貝殻が開いたように2枚の子葉を開くことからこの名前がついています。
カイワレダイコンは発芽直後のものですが、すでに10cm以上の長さがあります。子葉も種子のサイズに比べるとずいぶん大きいですね。では、小さな種子のどこから、このように大きな葉や茎が出てくるのでしょうか?
種子の発芽には、温度、水、空気(酸素)の3つの条件が不可欠です。種子にこれらの適切な条件を与えると、まず、吸水(水の吸収)が起こり、種子の内部で発芽のプログラムが起動します。種子の中には胚(根、子葉、茎の素)があり、これが自動的に発達を始めます。そして種子から根や芽を出します。発芽した芽はさらに大きく成長して、子葉や茎、葉を次々と出していきます。通常、発芽までは、種子に蓄えられた養分の力で進行しますが、その後は子葉などで光合成して得た養分で大きくなります。
(千葉大学園芸学部 丸尾 達)

写真 カイワレダイコンは吸水したダイコンの種子が発芽したもの。

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