漏電遮断器はどんな しくみなの?

出入りする電流の違いを検出して漏電を遮断する

漏電遮断器は、感電による人身事故や漏電火災を防ぐために取り付けられている機器です。身近なところだと、一般の住宅、自動販売機、電気温水器、スーパーの冷凍ショーケースなどに取り付けられています。ここでは自動販売機を例に、漏電遮断器のしくみを説明しましょう。
図は、漏電遮断器と自動販売機を結んだ回路図です。漏電遮断器は、漏電を検出する零相変流器、電子回路、電磁装置、遮断器部で構成されています。
正常時は、零相変流器を通って自動販売機へ流れる行き帰りの電流が同じなので、零相変流器は信号を出力しません。しかし、絶縁の劣化や感電などによって、行きと帰りで電流に差が出ると(この差を「漏電電流」といいます)、零相変流器の中で漏電電流分の磁界が発生し、漏電信号が発せられます。この信号を電子回路で判別し、漏電遮断器として動作すべきレベルを超えたときに電磁装置を駆動し、遮断器部を開いて漏電を遮断するのです。
人は体に2~3mAの電流が流れるとビリビリと感じますが、この程度では命に影響はありません。数mA~十数mA流れると運動神経が麻痺して動けなくなり、継続すると危険な状態に陥ります。また、漏電によって火災が発生するのは、数百mA~数A以上だといわれています。漏電遮断器は15mA~30mA程度くらいの漏電電流を検知し、0.1秒以内に素早く電路を遮断し、事故などが起きるのを防いでいるのです。
(ヒロボー電機株式会社)

図 漏電遮断器の動作のしくみ

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