ハワイはなぜ虹が多いの?

にわか雨が多く、すぐ晴れるから

日本をたち、ハワイ・オアフ島のホノルル空港に朝着くと、虹が出迎えてくれました。これはよくあることで、ハワイでは朝や夕方によく虹が出ています。

ハワイには貿易風という風がいつも吹いていて、海からの湿った空気が島にぶつかり、雲ができます。その雲は水分をたくさん含んでいて、雲の粒がくっつくと雨になります。だから、雲が流れて来ると一時的に雨が降り、そこに太陽の光が当たると虹ができるのです。ハワイは雨が多いのですが、その雨がすぐ晴れるので虹も多いのです。

島の南側や西側は、山から乾いた風が吹き降りとても気持ちがいいので、観光地になっています。そして流れてきた雲からザァーッと雨が降ると、太陽を背にして雨の降っているところに虹が現れ、輝いて見えます。

日本では厚い雲(乱層雲、積乱雲)が広がり、上の方の雪が融けて雨になることが多いのですが、ハワイではわた雲(積雲)の水滴から雨が落ちてきます。そして周りが晴れているので、虹を見るチャンスも多いのです。飛行機からも虹を見ることができます。また、ヘリコプターで雨のカーテンに近づくと、円形の虹を見ることも可能です。 ハワイの車のナンバープレートには虹が描かれています。ハワイは「虹の州」なのです。たくさんの人種が集まっていることも虹を大切にする理由の1つのようです(肌の色の違いを超えて1つの虹になるという意味)。そして、月明かりで見える虹もあります。ナイトレインボー(ムーンボウ)と呼ばれ、地元でも憧れとなっています。

月が満月に近いことがムーンボウの条件。日本で見た人はほとんどいないが、ハワイは空が澄んでいてにわか雨が多いので見る機会が多い。

武田康男(気象予報士)

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