しもやけはどうしてできるの?

寒さで死んだ細胞を分解・処理するときに起きる炎症

しもやけとは、低温暴露と遺伝的血流障害が重なって発症する炎症反応である、と考えられています。
手足の指先や耳、?などが低温に曝されると、全身を巡る血流が冷えて深部体温まで冷えることがないように、低温に曝されている部分への血流が低下します。すると、その部分への酸素や栄養の補給が途絶えてしまうので、耐えきれない細胞が死にます。これを「壊死」といいますが、この死んだ組織を分解・処理するために、より多くの白血球が集まってきて、さまざまな化学物質(「サイトカイン」と呼ばれます)を分泌することになります。これが炎症反応で、痛み、かゆみ、発赤、腫れが生じ、しもやけとなります。
気温5℃前後に長時間曝されるとき、温度差10℃以上の場所を出たり入ったりするとき、汗などで湿っているときなどに起きやすいとされますが、必ずしもその度にしもやけができるわけではありません。血流が低下してからしばらく経つと、一時的に血流が回復するときがきます。ハンティング反応と呼ばれるもので、この反応によって酸素と栄養が補給されるため、簡単にはしもやけには至らないのです。しもやけには遺伝的素因があることが指摘されていますが、このハンティング反応に異常があるのだろうと考えられます。
(防衛医科大学校教授 西田育弘)

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