長い距離を走った後に、「止まると余計疲れるぞ」というのはなぜ?

止まってしまうと、血液の流れが滞るから

人の体では、栄養素(酸素を含む)は血液を介して全身の細胞に運ばれています。動脈を介して栄養が送られないと、細胞は死んでしまいます。腕や首などの血管を触るとドクドクとしているのがわかりますが、これが動脈で、心臓から全身に一定のテンポで血液が流れているのを感じることができます。
一方、静脈は細胞などに栄養を送り届ける代わりに、二酸化炭素を受け取って心臓に戻す道です。動脈は心臓のポンプで勢いよく流れていきますが、静脈は毛細血管からスタートして心臓に戻るため、重力の影響を受けて勢いがつきにくく、また逆流を防ぐために静脈弁という蓋もついているため流れにくいのです。
ここで登場するのが筋肉です。筋肉を収縮させると、静脈の弁が開き、心臓に向かって血液が戻ろうとします。授業中などじっとしていると体を動かしたくなることがありますが、これは血液が1か所に滞って流れにくくなっているサインです。
走る動きは筋肉をより多く使うため疲労しますし、傷ついた細胞を修復しなければいけないので、細胞にたくさん栄養を送る必要があります。ところが走った後止まって休んでしまうと、血流が滞り、細胞に栄養が行き渡らないため、かえって疲れや筋肉痛の原因になるのです。
そのため走った後はゆっくりジョギングしたり、ストレッチをして体を動かすことで、疲労をためないように努めましょう。
(Japanマラソンクラブ 牧野 仁)

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