ハリケーンは台風と何がちがうのですか?

2005年、アメリカ南部を襲ったハリケーンカトリーナは、フロリダ半島からルイジアナ州のニューオリンズなどに大きな被害を与えました。このあたりはだいたい北緯25~30度付近の位置にあたります。日本だと、宮古島、石垣島から屋久島辺りの緯度と同じです。つまり南海上にあって(メキシコ湾の)暖かい海上からのエネルギーを充分に供給されて大きくなって、勢力の強い時期に上陸したともいえます(日本の台風でも、宮古島で最大瞬間風速85.3m/sが記録されています。1966年9月5日、第二宮古島台風によるものです)。

また、ハリケーンの最大風速は1分間の平均風速で計測しているのに対し、日本の台風は10分間の平均から計測しています。したがってアメリカのハリケーンの方が、強い風速になる傾向があります。

さて、ハリケーンも台風も、またサイクロンも同じ熱帯低気圧が強くなったもので、同じ仲間です。ただ、発生場所によって、大西洋と東経180度以東の太平洋のものがハリケーン、東経180度以西の北太平洋と南シナ海で発生したものを台風、インド洋や南半球のオーストラリア近海で発生したものをサイクロンと呼んでいます。なお台風は中心付近の最大風速が17.2m/s以上(風力8)から台風と認定されるのに対し、ハリケーンは33m/s以上からの認定と下限の強さが強くなっています。

ハリケーン「カトリーナ」の経路

①台風(東経100度~180度の北太平洋)
②ハリケーン(180度~西経140度の北太平洋)
③ハリケーン(西経140度より東の北太平洋)
④ハリケーン(カリブ海・メキシコ湾を含む北太平洋)
⑤サイクロン(東経100度より西の北インド洋)
⑥サイクロン(アフリカ東岸~オーストラリア近海までの南インド洋)
⑦サイクロン(オーストラリア近海~西経120度付近までの南太平洋)

戸山 九 (気象予報士)

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