スイカのタネに黒と白があるのはなぜですか?

正常なタネ(黒)と受精しなかった タネ(白)が混じっているから

スイカの季節がやってきました。食べる際に邪魔になるタネですが、少し観察してみましょう。スイカのタネには、質問のように黒のタネと白のタネが混在しています。しかし、よく見ると、濃い茶色や、うす茶色のタネもあることがわかると思います。では、色の違いの原因は何でしょうか? それはタネを縦に切ってみるとわかります(スイカのタネは小さく、滑りやすいので大人に切ってもらいましょう)。黒いタネの内部は充実しており、しっかりした胚や胚乳が見られます。一方、白いタネには胚や胚乳がほとんど見られませんし、茶色やうす茶色のタネは、胚や胚乳の発達が不完全なものが多いでしょう。このようにタネの色は、内部の胚や胚乳の発達と密接に関係しています。一般に、受粉や花粉の発芽が不完全で受精しなかったタネは、『粃』と呼ばれ、種子内部に胚や胚乳がなく、発芽能力もありません。

ところで、よく見るとスイカのタネは果皮の黒い縞の下に多いこともわかります。切る際は、黒い縞を避けて切りましょう。

下はタネの断面。

丸尾 達 (千葉大学園芸学部 准教授)

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