塩水にリンゴをつけると茶色にならないのはなぜ?

塩のナトリウムイオンが酸化を防ぐから

切ったリンゴが茶色になるのは、リンゴに含まれるポリフェノールの一種であるエピカテキンやクロロゲン酸が酸化酵素によって空気と反応して酸化し、変色するからです。塩水につけるとナトリウムイオンがポリフェノール類の周辺に壁をつくり、酵素の働きを抑え、酸化を防ぐのでリンゴが変色しないのです。他にもリンゴにレモン汁をつけると変色を防ぐことができます。これはリンゴのポリフェノールより先にレモンに含まれるビタミンCが酸化反応をするからです。そのため、ビタミンCは多くの食品に酸化防止剤として使われています。他にもバナナ、モモ、アボカド、ナス、ジャガイモ、レンコンなどの果物、野菜も、切ると同じ反応を起こして変色します。

ポリフェノールはほとんどの植物に存在し、エピカテキンはお茶にも多く含まれ、殺菌作用や血液を健康にする効果があります。また、酸化すると褐色になるため、これを含むウーロン茶や紅茶は赤っぽい色をしているのです。クロロゲン酸はコーヒーにも多く含まれ、ガンの予防、血糖値を抑える、胃腸の働きを助けるなどの効果があります。

リンゴにつける塩水は味が変わらないくらいの低い濃度、水カップ1に塩小さじ1/5程度が良いでしょう。

佐倉美穂(ライター)

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