アサガオが朝咲くのはなぜ?

前夜暗くなってから8~10時間後に咲く日の出前に咲くことも多い

アサガオは奈良時代に中国から遣唐使が伝えたといわれています。その後江戸時代になってさかんに品種改良が行われました。「変わり咲き」など、1000種類以上の品種がつくられ、当時の外国人も驚いたそうです。

アサガオは朝に花が咲くと思われがちですが、実際にはまだ暗いうちから花が咲くことがあります。具体的には、前日暗くなってから、8~10時間後に咲くのが普通です(品種により時間は異なります)。例えば8月の日の入り時刻は午後6時台ですが、仮に夜7時に暗くなったとすれば9時間後の朝4時に開花します。この時期、日の出は4時半以降ですから、まだ日の出前に咲いているということなのです。

このように、アサガオは夜の時間の長さで花を咲かせる時刻を決めています。暗いうちから花を咲かせるのは、比較的涼しい時間帯に虫に花粉を運んできてもらうためかもしれません。

朝顔市で売られる行灯(あんどん)仕立ての朝顔。
東京入谷の朝顔市は、毎年七夕の前後3日間開催される。
この時期に花を咲かせないと価値が半減するので、
昔からいろいろと工夫されている。

丸尾 達 (千葉大学園芸学部 准教授)

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