注目すべきは角だけじゃない「カブトムシ&クワガタムシ」-自由研究スペシャル

昆虫界の人気者

 カブトムシもクワガタムシ(クワガタ)も翅の固い昆虫である甲虫の仲間だ。甲虫類は昆虫の中で最も数が多く(今まで見つかっている昆虫のうち約4割が甲虫類)、テントウムシやカミキリムシ、タマムシなど多くのグループがあるが、カブトムシとクワガタは甲虫の中ではかなり近い間柄にある。だから、成虫の形は結構違うけれど、幼虫はとてもよく似た姿をしている。

 カブトムシやクワガタを採集したことがある人は多いと思うけれど、飼育しながら観察や実験をしている人は少ないんじゃないかな? ここでは、採集後、飼育しながらできるおもしろい実験テーマを紹介する。昆虫の研究者になったつもりで、カブトムシ、クワガタのヒミツを探ってみよう!

生物プロフィール

■カブトムシ 学名Trypoxylus dichotomus
■オオクワガタ  学名Dorcus hopei
■コクワガタ  学名Dorcus rectus
■ノコギリクワガタ 学名Prosopocoilus inclinatus

 カブトムシはカナブンやフンコロガシなどを含むコガネムシの仲間で、日本には6種のカブトムシの仲間がいる。でも、立派な角を持つのはカブトムシ1種だけだ。

 一方、クワガタは日本には約40種。オオクワガタやノコギリクワガタ、ミヤマクワガタのように立派な大あごを持つ大きなクワガタから、体も大あごも小さくてクワガタかどうかもわかりづらいチビクワガタのような種類まで大きさ、形ともさまざま。

頭の周りに注目してみよう

 カブトムシのオスは頭の真ん中に長い角を持っていて、胸の真ん中にも短い角がある。一方、クワガタのオスが持っている立派なはさみは大あご(口の一部)の一部だ。カブトムシの角、クワガタの大あごともに、エサ場を求めて他のムシとけんかしたり、同じ種のメスを求めて他のオスと争ったりするときに武器として使われる。

【研究しよう】カブトムシが暗い夜でもエサを識別できるのはなぜ?

 カブトムシやクワガタはクヌギやコナラなどにやってきて樹液をなめる。昼間に見つかることもあるけれど、どちらかというと昼間は寝ていて、夜にやってくることが多い。真っ暗な夜にどうやって、樹液を見つけることができるのだろう?

 カブトムシもクワガタも電灯に飛んできたりするから(だから灯りの周りを探せば捕まえることができる)、真っ暗な中でも目が見えて、それで樹液を見つけるのかな? それとも、樹液の匂いに引き寄せられるのだろうか? 実験して確かめてみよう。

紙に包んだ焼酎に漬けたバナナ、ビニール袋に入れて密閉したバナナ、焼酎につけたバナナのシロップに浸した脱脂綿を用意しよう。

手順

①3種類のエサを用意し、台にした止まり木の上にセット。左から「紙に包んだ焼酎に漬けたバナナ」、「ビニール袋に入れて密閉したバナナ」、「焼酎につけたバナナのシロップに浸した脱脂綿」。暗いところに置いていると…。

●ポイント

 じっと見ていたい気持ちはわかるけど、彼らは夜行性の生き物。暗くすることで、行動はより活発になる。大胆なカブトムシは明るいところでもエサに反応するかもしれないが、クワガタは臆病なので、明るいと出てこないかも。実験成功のポイントは暗いところで行うことだ。セットした後はそっとしておいて、ときどき見に行くといい。

②30分ほどしてから見てみると、右の「バナナシロップの染み込んだ脱脂綿」は台木の上から引きずり下ろされていて、左の紙に包んだバナナとともにカブトムシやクワガタが集まっていた。
③さらに30分経過。真ん中のバナナには見向きもしない…
④さらに1時間経過。左右の2つは台木の上から引きずり下ろされていて、カブトムシやクワガタが集まっていた。ということは、彼らは目で見ているのではないようだ。

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今回の研究でわかったこと

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