質量のない光がブラックホールに吸い込まれるのはなぜ?

光は重力ではなく、ゆがんだ空間に影響を受けているからです

重さのない、つまり質量のない光が重力に引き寄せられることはないのに、ブラックホールに吸い込まれるのはなぜか? するどいご質問ですね。それは、光が影響を受けているのが重力ではなく、ゆがんだ空間だからです。アインシュタインの相対性理論では、物体の周りの空間はゆがむと考えられています。重たい物体ほどゆがみは強く、太陽の周りではまるで空間にへこみができたかのようになります。重力がとても強いブラックホールの周りでは、底なしの井戸のように無限に深い穴ができたようなもの。光は、空間にそって進むという性質があるため、ブラックホールの近くを通ると、へこんだ空間にそって進み、そのまま穴の中に入ってしまうのです。逆に、ブラックホールの中から外に出ようとしても、ある境界線(事象の地平線といいます)より内側では穴が無限に深く続いているので、永遠に外に出られません。たとえるならば、光速より速いスピードで流れる川をさかのぼろうとしても流されてしまうようなものなのです。
(室井恭子)

 空間のゆがみがとても強いブラックホールの周りは、底なしの井戸ができたようなもの。
光の速度で脱出できるギリギリの境界を「事象の地平線」といい、
そこを越えると光でも抜け出すことができない。

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