寒さに強い植物と弱い植物は何が違うの?

基本的には植物の原生地で決まる
温度や水分、肥料など環境の影響もあり

日本は低温性から熱帯性まで、多様な種類の植物が見られる自然豊かな国のひとつです。その中には冬になって枯れる植物と枯れない植物があります。植物の寒さに対する反応はどのようにして決まるのでしょうか?

まずそれぞれの植物には、その植物が生まれた原生地があります。その植物は、原生地の気候に合わせて進化してきたので、寒い地方で生まれた植物は寒さに強く、暑い地方で生まれた植物は暑さに強いのです。これは植物の持っている基本的な性質ですので、植物の種類により、大まかな特性は決まっています。

しかし、例えば冬に霜が降りたときに植物をよく観察すると、同じ種類の植物でも枯れてしまう株がある一方、枯れずに頑張っている株もあるなど、同じではありません。

植物は、寒くなると徐々に寒さに対する準備をします。体内に糖分などをちょっとずつ蓄積して、凍りにくい体にするのです。よく調べてみると、その準備が早い株と遅い株があります。これには、土壌の水や肥料、温度などの環境が大きく影響しているのです。徐々に寒さに当たり、充分肥料を与えられた植物は、糖分や、無機養分を充分に蓄積でき、寒さに強い(凍りにくい)体になるのです。

一方、あまり寒さに当たっていない植物が、急に極端な低温に合うと、寒さに対する準備ができていないので枯れてしまうのです。

丸尾 達 (千葉大学園芸学部 准教授)

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