人工ダイヤモンドについて教えてください。

人工ダイヤモンドができたのは20世紀後半

ダイヤモンドは美しく高価な宝石である上、その硬さから工業材料としても重要です。このため、これを人工的につくり出す努力が古くから行われてきました。多くの模造品もつくり出されましたが、本物と同じ材質・構造の人工ダイヤモンドができたのは、20世紀後半になってからです。1970年代には、目に見えるような大粒のものもつくれるようになりました。
天然のダイヤモンドは、地下の高い圧力と温度で炭素が押し固められてできます。最初の人工ダイヤモンドは、これをまねてつくり出されました。最近では、炭素をばらばらにしてプラズマという状態にし、これを積み上げるようにしてダイヤモンドにする「CVD法」という方法も広く使われるようになっています。
人工ダイヤモンドの多くは、研磨剤や工具などに使われます。宝石として使えるほど高い品質のものもつくり出せるようになっており、専門家が特別な機械を使わないと、天然か人工か見分けがつかないほどです。近い将来、安くて高品質な人工ダイヤモンドを身につけることが当たり前になるかもしれません。
(佐藤健太郎)

写真 高温高圧法により合成された人工ダイヤモンド。

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