蜃気楼はなぜ起こるのですか?

冷たい空気と暖かい空気の間を光が通ると、屈折するため

蜃気楼は大気中の光の屈折によって、遠くの景色が伸びたり逆さになったり、実際とは異なって見える現象です。実際の風景の上に虚像が見える上位蜃気楼と、実際の風景の下に虚像が見える下位蜃気楼があります。
物体はあらゆる方向に光を反射していますが、私たちに見えるのはその一部です。空気に温度差がないときは、光は直進するので、物体と目を結ぶ直線の光が目に見えます。ところが、空気に温度差があると、光の進む方向が変わります。冷たい空気と暖かい空気の間では、光は密度が大きい冷たい空気の方へカーブします。
上位蜃気楼では、上へ向かう光の線の一部が屈折して私たちの目に届きます。人は目に入ってくる直前の光の方向に物体があるように見えるので、上方向に虚像が見えることになります。一方、下位蜃気楼では、下へ向かう光の線が屈折するため、下方向に虚像が見えることになります。蜃気楼のしくみは複雑で、まだ解明されていないことも多くあります。
(気象予報士 太田陽子)

 上位蜃気楼と下位蜃気楼が見えるしくみ。
どちらの蜃気楼も、必ず逆さに見えるとは限らない。

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