天体の地形の名前を決めるルールは?

規則に則って考案し、国際機関で決定する

子午線、神酒、オリンポス……これらはすべて天体の地形の名前です。誰がどのようにして名づけたのでしょう?
天体の地形を命名しているのは、国際天文学連合という世界中の天文学者からなるグループです。新しい地形が発見されると命名案を議論し、最終的な決定を下します。命名にはさまざまな規則があり、例えば人物名を使う場合、世界的に有名で死後3年以上経っていることや、政治的・軍事的・宗教的な意味がない名前であることが求められます。
天体ごとにも細かなルールがあります。最近、地球に接近した火星の場合、ギリシャ神話などにちなんだ名前や、60km以上のクレーターには火星の研究に貢献した科学者や作家名、それ以下の小さなクレーターには人口10万人以下の小さな町や村の名前をつけるなど、中にはユニークなルールもあるんですよ。
(室井恭子)

ハッブル宇宙望遠鏡が撮った火星
赤道付近の細長く黒っぽい地形は「サバ人の海」という名前。
これは現在の紅海に面した、古代アラビア半島にあったとされるサバという町に由来している。
火星には、宮城県の旧鳴子町にちなんだNarukoという小さなクレーターも存在する。
ⒸNASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA), J. Bell (ASU), and M. Wolff (Space Science Institute)

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