焦げると黒くなるのはなぜ?

水分が失われ炭化すると光を透過しなくなり黒く見える

ものが焦げるとは、主にそのものに含まれるタンパク質や糖質などの有機物が化学反応をおこすことを指します。その化学反応とは、熱反応により水分が失われること、また、それらの成分に含まれる炭素が、酸素と結びつくことができず炭化することを指します。完全な燃焼がおこった場合、炭素は二酸化炭素になりますが、酸素が足りない状態で加熱をすると不完全燃焼になり炭化がおこるのです。砂糖からできるカラメルも、トーストの表面が茶色くなるのも焦げているからです。

この性質を利用して木や竹を蒸し焼きにし、炭をつくることができます。その炭は燃料として使うほか、脱臭剤や鉛筆の芯などに加工されています。炭は炭素からできていますが、じっくり水分を奪うという特殊なつくり方をするので、同じ炭素の結晶であるダイヤモンドとは全く違う構造をとり、密度の高い、蜂の巣のようなハニカム構造になります。その構造になると電子が自由に動けるので電気が流れやすくなり、熱も伝わりやすくなります。また、いろいろな波長の光を吸収するので、光が透過せず、黒く見えるのです。

佐倉美穂(ライター)

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