美しいオーロラの観測(2025年12月号)

地球の一番南の「南極」で、気象・地質・生物など、さまざまな地球環境を調べている南極観測隊。「南極通信」では、隊員たちが現地から、南極での活動やくらし、研究の様子をコカ読者に届けてくれるよ!

今月号のレポートは……
第66次観測隊 モニタリング観測 浜路 雅美

6月初旬に見えたピンク色のオーロラ

 オーロラはは極域のどこでも見られるのではなく、極を取り囲む「オーロラ帯」というドーナツ状のエリアでよく見られます。昭和基地はこのオーロラ帯に位置するため、オーロラの観測に適しています。そのため、1次隊のころから長い間、オーロラの観測が続けられてきました。カメラによる観測の他にも電波による観測など、複数の機器により観測が行われています。

 オーロラは、太陽から飛んでくる粒子が地球の上空の大気と衝突することで起こります。今年は太陽活動が活発な時期だったので、オーロラ活動にも期待をしておりました。いくつか見たオーロラの中で一番心に残っているのは、6月初旬に見たオーロラです。普段は酸素分子の発光による緑色のオーロラを見ることが多いのですが、この日はより低高度で発光する、窒素分子によるピンク色のオーロラが空に広がっていました。

オーロラ観測などを行っているレーダーの点検中

真上のオーロラ

緑色のオーロラ

掲載協力/国立極地研究所

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子供の科学 2025年 12月号

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