昭和基地での生活(2022年6月号)

昭和基地のお風呂で疲れをいやす隊員たち。奥に見えるのは第62次隊の隊員による、富士山や南極観測船「しらせ」が描かれた絵。

 日本の学校に日直や掃除・給食などの当番があるように、昭和基地でも当直や当番があります。32名の越冬隊員が1日交代でお風呂、トイレ、食堂などの掃除、調理隊員がつくった料理の配膳やミーティングの司会をしています。
 1年の平均気温が-10℃以下の昭和基地では、雪や氷はたくさんありますが、発電機から出る熱で雪をとかしてつくる水は貴重品です。飲み水や洗面・お風呂の水には、フィルターでろ過し、さらに塩分をぬいて殺菌した「上水」を使います。しかし洗濯やトイレにはろ過しただけの「中水」と呼ばれる水を使います。
 汚水は、処理装置できれいにしてから海に流しています。毎日の食事や仕事の時間は日課で決められていますが、特定の時間に汚水処理が集中しないように、入浴は1日のいつでもできるようにしています。徹夜で観測を行う気象隊員も、仕事が終わった朝にお風呂で疲れをいやすことができます。

当直は、調理隊員の仕事を手伝うこともある。この写真では、当直の隊員(手前)が調理隊員(奥)と一緒にそばを盛り付けている。

(第63次南極地域観測隊 庶務・情報発信担当 馬場 健太郎)
掲載協力/国立極地研究所

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