昭和基地に物資を運ぶ(2024年6月号)

海氷上を進む雪上車。ヘリコプターでは運べない大型物資を運ぶための氷上輸送は、気温が低下し海氷が安定する深夜に観測隊員により実施されます。この時期(12月下旬~1月上旬)は白夜のため空は明るいのですが、実は深夜なんですよ。

 こんにちは。64次隊からバトンを引き継ぎました、第65次南極地域観測隊です。これから全6回、65次隊メンバーが南極観測の現場や活動について紹介していきます。

 今回は、南極・昭和基地で活動をするにあたり、とても大切な業務である輸送についてご紹介したいと思います。観測隊が昭和基地に到着すると、すべての活動は、まず物資を運ぶことから始まります。物資が届かなければ、観測を始めることはもちろんのこと、食事をすることさえもできません。

 観測隊が南極で観測活動や基地運営をするためには大量の物資が必要ですが、南極観測船「しらせ」から昭和基地へ運ぶ手段として、ヘリコプターでの輸送と雪上車での輸送などがあります。

 写真は、海上自衛隊が運用する「しらせ」の協力のもと、コンテナを載せた橇を観測隊員の運転による雪上車が引き、海氷上を渡り「しらせ」から昭和基地に向かう様子です。南極地域観測事業は、大学・研究機関等の研究者をはじめ、多くの省庁、民間企業の協力のもとに成り立っています。

「しらせ」乗組員が、コンテナをクレーンで吊り下げる様子。
ヘリコプターでも、荷物が昭和基地に運び込まれます。
「しらせ」のヘリコプターで昭和基地に届いた荷物は、観測隊員により基地内の各所へ運ばれます。
物資が昭和基地に到着し、コンテナの中から荷物を取り出す観測隊員たち。ここから、観測や越冬に向けた準備が始まります。

(第65次南極地域観測隊 庶務・広報 山岡 麻奈美)
掲載協力/国立極地研究所

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