なぜ飛行機に乗ると耳が痛くなるの?

耳の内外で圧力差が生じるため

耳の奥には鼓膜があり、その鼓膜の後ろには鼓室という閉鎖空間があります(図)。人間は地上に住んでいるので、この閉鎖腔内圧は1気圧になっています。国内線の飛行機に乗ると、高度3000~5000mくらいに達し、大気圧は0.7~0.5気圧に低下します。国際線なら高度1万2000~1万3000mに達し、0.3~0.2気圧に低下します。鼓室は閉鎖していますので、高度が変わっても1気圧のままです。このため外気圧との気圧差が生じ、鼓室の壁には強い膨張圧がかかります。これが耳の痛みの原因です。
耳と鼻の間には、鼓室と鼻の奥の壁をつなぐ耳管という細い管があります。この管は普段は閉じたままですが、唾を飲み込むと反射によって口蓋帆張筋という筋が収縮し、耳管が開きます。耳管が開くと鼓室と外気圧との差がなくなります。このため、飛行機に乗っているとき、耳の痛みを感じたら唾を飲み込んだりお茶やジュースを飲んだりすると、痛みが取れます。
(防衛医科大学校名誉教授 西田育弘)

 耳の構造。

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