雪が降ったときにも虹はできますか?

雪が降っているとき、虹はできません。

理由は虹ができるしくみにあります。虹は太陽の光と空気中の水滴で起こる現象です。
太陽の光は白っぽく見えますが、実は人間の目で感じることができるさまざまな色(紫、藍、青、緑、黄、橙、赤)の光が集まったものです。
また、太陽の光はまっすぐに進みます。しかし、空気から水というように異なる物質のさかい目を通るとき、光の進む方向は変わります。この現象を屈折といいます。
虹は、太陽の光が空気中の雨粒(水滴)に入るときに屈折し、水滴の中で反射することで起こる現象です。太陽の光は色によって屈折する角度(屈折角)が少しずつ異なります。そのため虹は7色に分かれているのです。
では雪が降ったときに虹ができないのはなぜでしょうか。
雪の結晶はどれも六角形です。しかも樹木のように複雑な形のものが多く、これがたくさん集まり、かたまりとなって降ってきます。
空気中で太陽の光が雪に進んだ場合、雨粒のときのように屈折・反射することができません。そのため、雪では虹ができないのです。
(気象予報士 太田陽子)

 虹ができるしくみ

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