南極はあんなに寒いのに、息が白くならないって本当?

からたがになるためのちりがないから ??

 寒い日には息が白くなりますが、とても寒い南極で、息をハァ~と出しても白くなりません。それは、空気中にちりがほとんどないからです。
 息が白く見えるのは、口から出た水蒸気が空気中のちりについて、たくさんの小さな水滴ができるから。ちりがないと水蒸気はなかなか水滴になりません。南極で測定すると、空気中のちりの量は、日本の数百分の1程度でした。では、なぜ南極ではちりが少ないのでしょうか。それは人間がほとんどいないため、排気ガスが出ないからです。植物からの花粉もなく、動物から出るちりもほとんどありません。また、地面が氷で覆われているので、砂やホコリが飛ぶこともありません。
 同様に、南極では雲や雪の結晶もできにくいです。雲をつくる水や氷の小さな粒、雪の結晶ができるためには、やはりちりが必要なのです。そして、とても少ないちりを奪い合うため、南極では大きな雪の結晶ができます。そして、南極のようなきれいな空気だと細菌やウイルスがないため、風邪をひきません。花粉症もまったく起こりません。そして、積もった雪からできた氷は、とても透き通っていてきれいです。
(第50次日本南極地域観測隊 武田康男)


南極で撮影した複数の結晶がついた、大きな雪の結晶。
小さな結晶のまわりに、たくさんの別の結晶がついて伸びたので、こうした形になった。

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