雨の降っているところと、降っていないところの境目はどうなっていますか?

きわめて狭い範囲で降る夕立などで、境界を知るチャンスがあります。  

昔から「夕立は馬の背を分ける」といいますが、夏の積乱雲から降る夕立の雨は、雨の降る範囲がきわめて局地的な狭い範囲(場所)であることをいったことです。(このことは気象レーダーを見ていて大体わかります)つまり、馬の背中の片側は雨が降ってぬれていても、もう一方の片側は雨が降らないで乾いているということです。夏の夕立をもたらす積乱雲の大きさがせいぜい10km程度ですから、こうしたことが起きえます。高速道路を車で走行中に、黒い雲の夕立の雨の中に入っても、せいぜい5~6分くらいで、雨の降っているところから、降っていない晴れたところへ出てしまったりするのもこのことなのです。  

こうした狭い範囲の雨の予報は、スーパーコンピューターを駆使した最新の数値予報が、最も苦手とするところなのです。したがって天気予報の表現は、「晴れ時々くもりところによりにわか雨」というようになるのです。  また、低気圧や前線の接近で曇っていた空から雨が落ちてきたというのも、雨が降っていたところと降っていないところの境目が、その時自分の上を通ったともいえるでしょう。  

お尋ねの雨の降っているところと、降っていないところの境目は、以上のようなことだと思います。また冬期に、西高東低の冬型気圧配置で、日本海側の地方が雪、太平洋側の地方が晴れという天気は、日本列島の中央部にある脊梁山脈(せきりょうさんみゃく)がその境界となっていて天気境界とか天気界といわれています。これを気象学者よりもズバリと表現したのは、ノーベル賞作家の川端康成で、その作品「雪国」の冒頭には「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」とあります。上越線の在来線の列車に乗って、群馬県と新潟県の境にあるループ式の長い清水トンネルを冬期に通るとそのことが実感できると思います。
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日本海のすじ状の雲が、雪を降らせる雲。

戸山 九 (気象予報士)

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