南極と北極は何が違うんですか?

最低気温やそこで生きる動物、太陽や月の動きなどさまざまな違いがある

地球は自転しています。その自転の軸(地軸という)が地表面を通る場所の、北側を北極、南側を南極といいます。

地表面では北極は海(北極海)になっていて、南極は大陸(南極大陸)になっています。北極点は海に浮かぶ氷の上ですが、南極点は2800mもの厚い氷の上にあります。そうした環境の違いで、最低気温は南極の方がずっと低くて、?89.2℃という世界一の最低気温を記録しています。

地球は23.4°傾いて自転しているので、北極点と南極点は、半年間太陽が当たり続け、残り半年間は太陽が出てきません。北極が夏のときに南極は冬になります。太陽や月・星の動く向きも反対で、北極点では上を向いて反時計回り、南極点では時計回りです。太陽や月は南北にも少し移動しますが、星はずっと横に動くだけで、北極点で見られる星と南極点で見られる星はまったく違います。天の赤道付近にあるオリオン座はそれぞれ半分ずつしか見られません。

動物については、クジラは海を泳いでどちらの近くにもいますが、ホッキョクグマ(シロクマ)は北極周辺に、ペンギンは南極大陸のまわりなど南半球にしかいません。この2種類の動物は、幸いにして一緒になることはないのです。 このように違いの多い北極と南極ですが、オーロラは北極周辺と南極周辺に同時に出現します。太陽からやってきた太陽風が地球のまわりに入り、同じような時間と形で上空に同時に光ります。

ちなみに、東京の立川市には「国立極地研究所 南極・北極科学館」があり、入場料無料でいろいろな展示物があっておもしろいですよ。

南極のアデリーペンギン

武田康男 (第50次南極地域観測隊員)

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