風はどこからやってくる?

地域による温度差や地球の自転などで空気が動き、風になります。

風は空気の流れです。空気が1秒間にどれだけの距離を動いたかで、風速何mというように表現しますが、これは風速計で計測します。では、この風はどうして起きるのでしょうか。

ひとつは、地球は太陽からのエネルギー(光と熱)を受けています。このエネルギーは、太陽光を垂直に受ける赤道付近で大きく、斜めから受ける北極や南極付近で小さくなっています。風は、このようなエネルギーの受け方の違い(温度の差をいってもよい)によって生まれるのです。これは季節の違いによる風となり、季節風となります。日本では、夏は太平洋高気圧からの南または南東風となり、全国的に亜熱帯並みのむし暑い高温の晴天となります。冬はシベリア高気圧からの北または北西風となり、日本海側の地方にまとまった雪を降らせ、反対に太平洋側の地方に乾燥した晴天をもたらします。

また、エネルギーの受け方は海と陸地でも違いがあります。昼間は陸地のほうがあたたかく、夜は逆に海のほうがあたたかくなります。これは海陸風となり、昼と夜で反対の風向きとなります。その交代期には風のない、なぎが現れます。

もうひとつ、地球の自転によって起きる、上層の大規模な偏西風や下層の貿易風があります。

またもっと身近なところでは、冬の暖房した部屋のドアを開けると、暖房していない廊下からの冷たい空気が(風となって)部屋のなかに流れこんできたということを体験していませんか。こうした、ごく小さな場所における空気の流れ(風)もあります。さらに、大気の状態により、時として春先の突風(春一番など)や台風がやって来たときの暴風や、地形や高層ビルの影響で激しい風の吹くときもあります。

一般の家庭には気象台のような風速計がありませんが、周囲の様子や状況から、おおよその風速がわかります。前ページの図に風の強さの目安を示しました。

なお、風速15mというのは1秒間に15m空気が動くわけですから、分速は15×60秒で900m。時速は900×60分で54kmで、一般道路の自動車並みの速度になります。同じ計算で風速25mは25×60×60=時速90km、50mは50×60×60=時速180kmと、新幹線くらいの猛スピードとなるのです。

戸山 九(気象予報士)

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