『子供の科学』創刊100周年メッセージ★塚田健さん「『子供の科学』は読者を決して「子供扱い」しない」

1924(大正13)年の創刊から100年間、科学への好奇心あふれる子供たちを応援し続けてきた雑誌『子供の科学』。誌面に載っている最先端の科学の話や、驚きの実験、おもしろい仕掛けの工作などにワクワクして育った読者から、ノーベル賞受賞者をはじめとした大発見をする研究者、画期的な発明をする開発者たちが生まれました。 そんな『子供の科学』を読んで育った読者からメッセージをいただいています。

塚田 健(つかだ・けん)。平塚市博物館学芸員(天文)。東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻修士課程修了。博物館でプラネタリウムの投影や講座の開催のほか、『子供の科学』の姉妹誌『天文ガイド』の主要執筆者としても活躍中。著書に『天文現象のきほん』(誠文堂新光社)など。

──『子供の科学』はいつごろ読まれていましたか? また、出会いの経緯を教えてください。

 初めて『子供の科学』を手にしたのは小学生のころでした。きっかけはまったく覚えていませんが、おそらく両親が買ってきたのでしょう。当時から理科全般に興味をもっていたので、図鑑や福音館書店の『たくさんのふしぎ』シリーズなど多くの「科学読み物」を買ってもらっていました。そのうちの一冊でした。

 その後、しばらく購読を止めていた時期がありましたが、大学生になって自分で購入するようになりました。大学・大学院での専攻が天文学であると同時に理科教育学でもあり、大学の内外で科学実験・工作教室などをする機会もあって、その参考にするために読んでいました。

──『子供の科学』のどんな特集に興味があったか、思い出に残っている記事などがあれば教えてください。

 小学生のころは、特集記事ではないのですが、毎号付録でついてくる二宮康明氏設計の紙飛行機の型紙が楽しみでつくっていました。

 思い出に残っている記事は、2018年8月号の自分が執筆した「飛び出すARでわかる!はやぶさ2の探査ミッション」です。自分が読んでいた『子供の科学』の記事を執筆できるということで、大変うれしかったことを覚えています。

2018年8月号で、塚田さんに取材・執筆していただいた「飛び出すARでわかる!はやぶさ2の探査ミッション」。本号は、VRやARのオリジナルコンテンツを付録企画とした初めての号だった。

──子供時代に育んだ科学への興味は現在のお仕事や活動、考え方等につながっていますか? どんなつながりや影響があるか教えてください。

 今、私は博物館(プラネタリウム)で天文や宇宙について“人に伝える”仕事をしています。これは、子供のころの興味がそのまま仕事につながったものですし、同じように子供たちに興味を持ってもらいたいという思いで仕事をしています。

──『子供の科学』100周年に寄せてコメントをお願いします。

 100周年おめでとうございます!100年……1世紀という非常に長い期間発行が続いたというのはすごいことだと素直に思います。これまでに本当に多くの子供たちに科学の魅力を伝えてこられ、まさに日本を代表する子供向け科学雑誌だと思います。次の100年、ぜひさらに進化しつつ続いていってほしいと思います。

──今の『子供の科学』の読者たちにメッセージをお願いします。

 『子供の科学』は子供向けの雑誌ですが、みなさんを決して「子供扱い」していないと思っています。テーマによってはかなり難しい内容も扱っていますし、読んでもよくわからない、という記事もあると思います。でも、諦めずに繰り返し繰り返し読むことでわかることもありますし、何年後かに見返すと、また新しい発見があると思います。ぜひ一冊一冊と長く付き合ってみてください!

『子供の科学』100周年サイト
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