【サイエンス“手に職”図鑑】環境アセスメント調査員/環境をとことん調べて、保全する方法を提案する

【豊かな環境と暮らしやすさを守る度 ★★★

株式会社KANSO
カンソウ
テクノスの藤田弘
ふじたひろし
さんに聞きました。

キャリアプラン

工学部、理学部、農学部、水産学部などの専門分野がある大学や大学院を卒業
会社に就職し、環境アセスメント調査員として活躍
高校卒業後に入社したり、中途採用で入社したりする人もいる

必要な資格

とくになし
技術士、環境計量士、公害防止管理者、生物分類技能検定、環境アセスメント士などの資格は、もっていると役立つ。

仕事データ

勤務時間/基本は、1日8時間
休日/週休2日(土日)と祝祭日
働ける年齢 /年を重ねても働ける。とくに人と話をすることは、経験を積むほどうまくできるようになる

現場のお話を聞いてみよう!

大きなものをつくるときは、「環境」にも気を配る

 道路やダム、飛行場、埋立地などのような大きなものをつくると、周囲の自然環境や、近くに住む人の生活環境が変化し、影響が出る可能性があります。その変化をできるだけ小さくするために、工事を始める前に行うのが「環境アセスメント」。アセスメントとは「影響を評価する」という意味で「環境アセスメント調査員」はその調査の専門家です。

 仕事は建造物をつくる会社などから依頼されて始まります。最初に調査や予測の方法をまとめたものを作ります。次に実際に現地へ足を運んで、騒音や悪臭、水質、土壌、動物、植物、景観、廃棄物などについて調べます。そのほかにも文献調査といって、資料を読んで地域の特徴などを調べていく作業も。すべてを終えるのに数年かかるのが一般的で、長い時間が必要になります。その後、調査や予測の方法や結果は公表され、住民などから意見をもらってよりよいものにしていきます。そして、できるだけ環境を守る方法を考え、それを建設に関わる人たちに伝え、実際に工事が始まります。

 この仕事のいいところは、現地調査で自分の発想では旅行しないような場所へ行けること。ゆっくりはできませんが、景観調査では地域の名所を訪ねることもたくさんあります。

信頼される人柄がとても大事

 環境アセスメント調査員の仕事は、外に出ることが好きで、わかりやすい文章を書くことが得意な人に向いています。今から国語や算数の基礎を身につけ、理科(物理、化学、生物、地学)の中に得意なものがあるとよいでしょう。

 求める環境は人によってさまざまです。建設を進めたい人と、止めたい人がいたときに、調査員は両者ときちんと話をし、建設会社や住民、専門家など多くの人とコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくことが求められます。そのため人から信頼される誠実な人柄であることはとても重要です。

 環境の調査や予測では、機械を使った計測やコンピューターによる計算を行う場合もあり、将来はAIがかわりに行うかもしれません。一方で、住民にとってよい環境について考え、いろいろな立場の人と信頼関係を築くことはAIには難しいことだといえます。いろいろな意見を聞きながら、みんなが受け入れてくれる環境をつくること。そのため依頼者といっしょに1つ1つ問題を解決していくことから、仕事を終え、依頼者が喜んでいる様子を見たときにやりがいを感じます。

こうやって稼いでいます!

・環境コンサルタント会社で働く
・大手の建設会社や工場、製造業(メーカー)などの環境部門で働く
・技術士の資格を活かして、起業する
・リタイアしたあとに、とても忙しい時期だけアルバイトとして働く

年収

300〜1000万円

★お仕事メモ★
環境アセスメント調査員の多くは、「環境コンサルタント」とよばれる企業に所属している。環境コンサルタントのおもな仕事は、行政や一般企業に対し、環境を保全する方法をアドバイスすること。

(文/小野寺佑紀 イラスト/フルカワマモる)

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