【サイエンス“手に職”図鑑】プログラマー/あらゆるコンピューターを正しく動かすプログラムを作る

【分析の力でいろんな課題を解決する度 ★★★

小飼
こがい
だん
さんに聞きました。

キャリアプラン

ITに関する会社や一般企業や団体のIT部門に就職プログラマーとして活躍
大学や専門学校、スクール、または独学でプログラミング言語、IT専門知識を学ぶ

<小飼さんの場合>
アメリカの大学で学ぶ→必要にかられて手段としてプログラミングを始める→気づいたらプログラマーになっていた

必要な資格

とくに必要ないが、パソコンに関する基礎的なスキルは必須。
IT関連の資格を持っていると、就職の際に有利になる場合も。

仕事データ

勤務時間/ 1日8~10時間(会社勤務の場合)、決まっていない(フリーの場合)
休日/週2日(会社勤務の場合)、週5日(小飼さんの場合)
働ける年齢/何歳まででも

現場のお話を聞いてみよう!

コンピューターを動かす命令のパターンを考え尽くす

 スマートフォンやパソコンなど、私たちのまわりには多くのコンピューターがあります。これらはコンピューターに命令を出すプログラミング言語という言葉で書かれた「プログラム」というデータに従って動きます。このプログラムを作り、コンピューターに仕事をさせるのがプログラマーです。

 そうはいっても、プログラマーはパソコンと向かい合っているだけが仕事ではありません。じつはシステムエンジニアやほかのプログラマーなどとアイデアを出しあったり、スムーズに動くプログラムを作るための計画を立てたりという時間も多いのです。それというのも、「コンピューターはすべての動きを命令しなければ正しく動かない」から。例えば、ロボットを歩かせるには、まず右足を上げる、ひざを曲げる……と、すべての動きをプログラムに書きこむ必要があります。命令が1つでも抜けていると正しく動きません。そうならないよう、プログラマーはプログラムを書き始める前に、「障害物があったら」など、あらゆる場面を考え、すべてのパターンに対して命令を書きこみます。その結果、どんなときでも問題なく動くコンピューターを作りあげられるのです。そして、プログラミングをすることで、物事を深く知る喜びもあるのです。

なまけもので短気、さらに自信満々の人にぴったり!?

 プログラマーに向いているのが、「なまけもので気が短く、自信たっぷりの人」といったら、みなさんはびっくりしてしまうかもしれませんね。けれど、海外の有名なプログラマーによれば、力のあるプログラマーになるにはこれらが必要なのだそうです。

 毎日手作業でやっていることを自動でできるようにしたら、とても楽ですよね。もし、なまけものなら、「これだけでなく、あれも自動にしたらもっと楽だ!」と考えて、さらに便利なプログラムを思いつくかもしれません。また、気が短い人ならコンピューターがうまく動かないと、すぐに腹を立てるでしょう。だからこそ、逆に絶対にミスをしないプログラムを書こうという気持ちが生まれます。さらに、自信たっぷりの人は、誰に見せてもはずかしくないプログラムを書くことを何より大事にするかもしれませんね。一見、悪いように見える性格でも、その自分らしさを活かして物事に取り組めば、一流のプログラマーをめざすこともできるのかもしれませんよ!

小飼さんからのアドバイス

 今のうちからよく遊びましょう。学びは遊びからしか得られません。今、世界で活躍し、たくさんの収入を得ている人は、「ワーカー」(働く人)ではなく、「プレイヤー」(自分の仕事が世の中にどう役立つかを考え、楽しんで仕事をする人)です。ワークはこの先、機械に置きかえられてしまいますが、プレイはそうはなりません。働かない人はいても、遊ばない人はいないのですよ!

こうやって稼いでいます!

・企業に依頼されプログラムを書く
・業界紙に載せる記事を書く
・プログラミング技術などの本を読んでその本の良し悪しを紹介する
・機材販売
・コンサルティング業務
・文書の翻訳
・書評

年収

400万円~1億円

海外には年俸100万ドルの人もいる!

★お仕事メモ★
正しくコンピューターを動かすためにあらゆるパターンを考える力が必要。これをAIにまかせるのは難しいかも。コンピューターを使う人間は、AIには想像できないような操作を思いついてしまうもの。

(文/小園まさみ イラスト/浅野知子)

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