丸くなる以外の生態を知ろう「ダンゴムシ」-自由研究スペシャル

昆虫じゃないゾ!?

 身近で、簡単に発見できるムシのひとつがダンゴムシだろう。実は“ムシ”とついているが、生物学上、ダンゴムシは昆虫ではなく、エビやカニなど甲殻類の仲間なんだ。

 今回は彼らが好む生息環境や隠された能力を探ってみたい。参加するのは、ダンゴムシの中でももっとも頻繁に見られるオカダンゴムシ30匹。実験をするときは、ある程度の数のダンゴムシに参加してもらうようにしよう。その方が、きちんとしたデータが取れる。

 採集する際は、太陽の光があまり当たらない薄暗く、湿った場所を狙ってほしい。公園や道端にある落ち葉や、庭にある石、植木鉢の下などをよく調べてみよう。

生物プロフィール

■ダンゴムシ 学名Armadillidium vulgare

 日本ではオカダンゴムシ、ハマダンゴムシ、コシビロダンゴムシの仲間など、約26種類が確認されている。体のつくりは頭部、胸部、腹部、尾部にわかれ、脚の数が14本(7対)、触角が4本(2対、ただ1対は退化して小さい)ある。

 最も身近なオカダンゴムシのサイズは数mm〜約15mm。背面が固い殻になっている。危険を感じると、体を丸くして身を守る姿でおなじみ。

研究テーマ ❶ ジメジメしたところはお好き?

 最初にトライしてみたのが、ダンゴムシが本当にジメジメした環境を好むかどうかを確かめる実験だ。

 細長いケースの右端に湿らせたスポンジ、左端に乾燥したスポンジを設置。中央に置いたダンゴムシ30匹が、どちら側に移動するのかを調べてみた。

 野外ではわりと湿った場所で見かけることの多いダンゴムシ。ケース内でもそれは実証されるのか? はじめは左右両サイド、ほぼ均等に分かれていった。ところが数分ほどで、「オレ、やっぱこっち!」「ワタシも!!」とハッキリとした動きが見られてきた。果たしてその結果は?

①細長いケースの右端に湿らせたスポンジ、左端に乾燥したスポンジを置く。
②ケースの真ん中にダンゴムシ30匹をスタンバイ。
③さぁ、スタート! どちらに動くか?

研究テーマ ❷ 好きな色はあるのか?

 次に行ったのが、ダンゴムシに果たして好みの色があるのか?という実験。

 まずは透明なケースの下面半分ずつを白と黒の2色にして、どちらが好きかを調べてみた。その後、さらに赤、青、黄、緑の4色を使って、どの色が好きかも検証してみた。

 色の好みを調べる実験は、ダンゴムシがちょっとずつ移動していくので、最低でも1時間以上は様子を見たいところ。白と黒であれば、予想はつきやすいかも。さて、4色ではどこに移動するか? 結果はあえていわないが、どうやら好みの色、好きではない色はあるようだ。同じ色でも場所をかえたりして、実験を何度か行ってみよう。

長方形の透明ケースの下地を白と黒に二等分にするとどうなる?
ダンゴムシが徐々に動き始めた!
さらにシャーレの下地を赤、青、黄、緑の四等分にしてみた。
さて、好きな色はどれ?逆に嫌いな色もあるのだろうか?

●注意

 長方形のケースでもいいが、できればシャーレのような円形の容器の方が、ダンゴムシが角に固まらず、動いてくれる。

(写真・文/安藤“アン”誠起)

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研究テーマ ❸ 逃げるときにジグザグで動くのは本当?

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