永久機関はどうしてつくれないの?

熱力学の基本原理に反しているため

永久機関とは、外からエネルギーを与えなくても、何らかの仕事をし続ける装置のこと。これが成り立たない理由は、19世紀に確立した熱力学の基本原理に反しているためだ。例えば、何かを動かすと摩擦などのエネルギーロスが発生する。これをゼロにしないと、追加のエネルギーなしに動き続ける機関はできない。空気抵抗も摩擦もない天体の公転や自転は、仕事をしていないので永久機関とは呼べないが、原理的には永久に続く運動だ。だが実際には他の天体からの重力などの影響があるのでいつかは停止する。
また、一連の流れ(系という)ではエネルギーの総量は変化しないというエネルギー保存則(熱力学第一法則)も、永久機関ができない理由の1つ。外に対して何かの仕事をするにはエネルギーが必要だから、それを外から持ってくる必要がある。だからすべての機関で、エネルギー源が尽きれば運動は止まるわけ。
他にも、すべてのエネルギーは高い状態から低い状態に向かって変化し、この逆を行うには別のエネルギーが必要になるという法則(熱力学第二法則の大枠)もある。何かを動かしてエネルギーが熱になってしまうと、それを集めてまた利用するには別のエネルギーが必要だ。このようなことから永久機関は不可能とされているが、議論はまだ続いている。少なくとも永久機関を求める人類の工夫が、熱力学を発展させてきたことは確かだ。
(山村紳一郎)

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