こすって消えるペンのしくみを教えてください。

摩擦熱で消える特殊なインキが使われている

消えるペンのしくみにはいくつか種類がありますが、こすって消えるペンの代表格「フリクション」のしくみを説明しましょう。書いたものがこすって消える秘密はインキにあります。フリクションのインキが消えるのは、摩擦熱によるもの。65℃になると透明になるように、消色温度が設定されているのです。
フリクションインキでは、特殊なマイクロカプセルが通常のインキの顔料の粒にあたる役割を果たしています。このカプセルの中には3種類の成分が入っています。1つ目は、条件によって無色と有色が切り替わるロイコ染料という発色剤。これはレシート紙などの感熱複写などにも使われています。2つ目はそのロイコ染料を発色させる顕色剤、3つ目は変色温度調整剤です。
普通の温度であれは、発色剤と顕色剤がくっついているため色が発色して見えますが、あらかじめ設定されている温度になると、顕色剤は発色剤から離れ、変色温度調整剤とくっつきます。このとき、インキは無色になります(図1)。
このインキの基本技術の開発は40年ほど前にされていましたが、一度消したインキがすぐに元に戻ることがないよう、復色する温度を下げる技術の開発が商品化するための重要なポイントでした。現在のフリクションインキは研究の末、-20℃で復色するように設定されています。
フリクションは、消しゴムで鉛筆を消すように筆跡をこすり取って消すわけではないので、消しカスが出ません。また、紙の繊維の中に入り込んでしまったインキ成分も熱が伝わることで透明になるので、消し残りが少ないという特徴もあります。気楽に何度でも書き直して使ってくださいね。
(株式会社パイロットコーポレーション)

図1 フリクションが消えるしくみ

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