太陽望遠鏡はどういうしくみなの?

目に有害な光をカットするフィルターを使うのが一般的

太陽を望遠鏡や双眼鏡でのぞくと目を傷めるので、太陽を観察するときは、太陽投影板と呼ばれるスクリーンに投影する方法が一般的です。しかし最近では、太陽を観察するための太陽望遠鏡が普及しつつあります。
太陽望遠鏡にはさまざまな種類がありますが代表的なのは、太陽に含まれる水素が放つ特定の光(Hα線)だけを通す特殊なフィルターを使うタイプ。太陽が放つ光に含まれているさまざまな波長の光(電磁波)のうち、特に目に有害な赤外線と紫外線がフィルターによってカットされます。
Hα線は、普段私たちが目にする「光球」と呼ばれる太陽表面よりも外側の「彩層」を観察するのに適しています。光球を地球の地面にたとえるならば、彩層は雲が浮かぶ上空にあたり、複雑で変化に富んだ姿を観察することができます。縁から伸びるプロミネンス(紅炎)がみるみる形を変える様子など、一度見たら忘れられない素晴らしい光景も目にすることができるでしょう。
(神奈川工科大学厚木市子ども科学館 菅原 賢)

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