雪崩はなぜ起きるの?

雪に働く力のつり合いが崩れたときに起きます
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 雪崩は、斜面に積もった雪や氷が崩れて流れ落ちる現象です。斜面に積もった雪には、重力によって落ちようとする力が働きます。これに対して、雪の強さと木や地面の凹凸などによる抵抗力が斜面の雪を支えています(図A)。雪崩は、この力のつり合いが崩れたときに起きます。例えば、一般的に雪は積もってから時間が経つほど雪粒同士のつながりが強くなって丈夫になりますが、大雪によって雪の量(重さ)が急に増えると、雪が強くなる前に落ちようとする力が大きくなって雪崩が起きます。

 一方、雪の量は変わらないけれど、雪の強さが小さくなる場合でも雪崩が起きます。雪の強さが小さくなる場合には、気温が急激に上がることによって雪がたくさんとける場合などがあります。また、登山やスキーなどで雪の上に人が乗ったときは、人の重さによって雪の弱い部分が壊れたり、落ちようとする力が大きくなったりして雪崩が起きることもあります。雪崩の種類には、とけてぬれている雪が崩れる湿雪雪崩と、とけていない雪が崩れる乾雪雪崩があります。また、積もった雪の上側だけが崩れる表層雪崩(図B)と、積もった雪の全部が崩れる全層雪崩(図C)があります。これらを組み合わせて、乾雪表層雪崩や湿雪全層雪崩などと呼びます。


図 雪崩が起きるしくみと雪崩の種類。
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 最近は、普段は雪の多くない地域でも大雪となって雪崩が起きることがあります。また、降ってくる雪の中には弱い雪をつくるきれいな板状の結晶があることが知られています。冬山の雪景色はたいへんきれいですが、雪の斜面に入るときには、崩れやすい雪かどうか調べることも大切です。
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(寒地土木研究所 松下拓樹)

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