空に浮かぶ雲って?雲はどうしてできるのですか?

空気が冷えると、そこに含まれていた水蒸気が水滴に変化、それが雲です。

よく夏のたいへん暑い日に、コップの中に冷たい水やジュースを入れておくと、しばらくしてコップの表面に小さな水滴がたくさんついているのがわかるでしょう。これはコップの表面にふれた空気が冷やされて、ふだんは目に見えない空気中の水蒸気が、露(水滴)に変化したものです。

雲ができる原理も、実はこれと同じなのです。空気中には、目には見ませんが、水蒸気が含まれています(水蒸気が全く含まれていなかったとしたら、お肌はカサカサ、喉は乾くし、火災が起きやすくなるなどさまざまな問題が出てきます)。また、同じ空気でも温度の高い空気の方が、温度の低い空気よりたくさんの水蒸気を含むことができるのです。
空気が上昇気流によって、上の方、上の方へと昇っていくと、まわりの気温は低くなっていきます。すると、それまで目には見えなかった空気中の水蒸気が冷やされて、たいへん小さな水滴に変化します(大きさは0.02mmくらいのたいへん細かいもの)。雲の粒の誕生です。小さな雲粒がたくさん集まって雲となります(雲を作っている小さな水滴は、上空のたいへん高い空では氷の粒でいることの方が多いのです)。
雲は低気圧や台風、前線など上昇気流の活発なところでたくさん生まれます。やがて空に浮かんでいる雲粒がたくさんくっつきあって、上空に浮かんでいられなくなると、地上へ向かって落ちてきます。地上付近で気温が温かいと、氷の粒もとけて雨となって降りますが、地上付近の気温が低い冬には氷の粒のまま(氷の結晶のまま)落ちてくると、雪ということになるのです。
戸山 九(気象予報士)

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