好きなことをトコトン究めたい小学生を応援する「小学生トコトンチャレンジ2023」採択者が決定!

「小中学生トコトンチャレンジ2024」応募受付中

 小学生トコトンチャレンジは、自分の好きな実験やものづくりをトコトン究めていきたい小学生を応援することを目的とした次世代教育プログラムです。『子供の科学』もこの取り組みに協力し、編集長のツッティーも審査に参加させていただきました。多数の応募の中から、審査員による厳正な審査の結果、以下の8名が採択されました。

 採択者は、1年間小中学生のオンライン研究スクール「才能発掘研究所 NEST LAB.」を無料で受講する権利、子供の科学のコカネットプレミアム会員への無料登録、研究費(1.5万円)の助成を受け、自らの好きを究めるために実験やものづくりに挑戦していきます。

採択者

関根理仁(小学3年生:東京都)

テーマ:貝が水をきれいにする力を使って、川や海の水をきれいにして、生き物を守りたい

 植物プランクトンを含んだグリーンウォーターと、カルキ抜き水の入った水槽の中に二枚貝を入れて、水を綺麗にする力を調べたい。砂や黒玉土の大きさを変えて、二枚貝が砂を吸い込む力が変化するのか調べたい。貝の種類や温度によって、二枚貝が水をきれいにする力が変化するのか調べたい。将来、貝の力を借りて、生き物にとって住みやすい水にして、たくさんの絶滅危惧種の魚や水生昆虫を守ることにつなげたい。

【子供の科学編集長より】
「昆虫が好き」という気持ちから、水生昆虫の観察、そして水辺の環境に興味を広げた関根さんの好奇心に感動しました。小学3年生は今回の採択者の中で最年少ですが、貝が水をきれいにする力を絶滅危惧種の魚や水生昆虫を守ることにつなげたいというビジョンが明確で、想いと研究の計画がマッチしたプレゼンになっています。とても将来性のある研究テーマだと思います。研究成果の発表、期待しています!

高橋耀介(小学4年生:山形県)

テーマ:リアルなシューティングゲームを作りたい

 今までパソコンのプログラミングでシューティングゲームや横スクロール、縦スクロールのゲームにシューティングゲームなどを何回も作って遊んだり友達に見せたり貸したりとやっていましたが、パソコンのプログラミングではどうしても3Dの画面が表せられなくてこまっていた。そこで、リアルにコントローラーで動かせる戦車を作ることで、解決することに気づいた。そこで、その戦車にカメラを搭載し、それを2機作って、それぞれを動かして戦車の弾を飛ばしてシューティングゲームをする。

【子供の科学編集長より】
プログラミングやゲームが好きな高橋さんは、シューティングゲームを作成して友達に遊んでもらっていたそうですが、もっとリアルなビジュアル表現を追求したいという気持ちがわき上がったとのこと。私もゲームが好きなので、気持ちがよくわかりますよ。高橋さんは3DCGではなく、実際に動くミニチュア戦車をつくってリアルとバーチャルを融合させる挑戦をします。出来上がったらぜひプレイさせてくださいね。

慶野楓岳(小学5年生:栃木県)

テーマ:ナナフシモドキを育てる。

 2年前からナナフシモドキを飼育するなかで、自然の中ではオスがなかなか見つからない事、緑色と茶色のナナフシモドキがいる事が分かりました。環境を作り、その中で育てたらオス、メス、緑、茶色ナナフシモドキに何か関係する事があるのか気になったので調べてみたいと思いました。

【子供の科学編集長より】
慶野さんは生き物を育てるのが大好きで、2年前からはナナフシモドキの飼育にも取り組んでいます。生き物を飼育して観察するのは楽しいですが、さまざまな環境の中で飼育・繁殖して、将来的にはナナフシモドキの「オスが少ない理由」、「色の違いの決定要因」を発見したいという想いに行きついた研究者マインドに感心しました。飼育環境や実験材料の購入、実験方法の検討に「小学生トコトンチャレンジ」をフル活用してください!

西元世亜(小学5年生:千葉県)

テーマ:3Dプリンターを使って前後左右に動く車を作る

 前後左右に動ける車を作るのに必要な機構、部品、素材について知って、夏休みの自由研究として製作し、その後も改良を続けて、さらによいものを作りたい。また、自分で考えて作りたいと思ったものの設計のコツを知りたい。現在は車輪の設計中であるが、走るための機構を考えることや部品同士を繋げることなどに苦戦しているので、そのポイントを知りたい。

【子供の科学編集長より】
西元さんはエンジニアになるという明確な夢を持っています。すでに小学生にして3Dプリンターを駆使して前後左右に動ける車の車輪を製作していて、好きなものを実現していく実行力は本物です。この車輪を使ってリモコン操作ができる車を完成させたいということで、「小学生トコトンチャレンジ」をうまく使って各種部品の購入や設計のブラッシュアップにつなげて、その想いを実現させてほしいと思います。

川島優星(小学5年生:東京都)

テーマ:フクイラプトルの図鑑作成

 ジュラシックワールドのブルー(ラプトル)に興味が出て、その後に地学に興味を持ちました。 次に、ラプトルについて深掘りしたいと思い、日本にはどのようなラプトルがいるのだろうとインターネットで調べました。フクイラプトル(ラプトルではありません。その後、調べた結果わかりました)が出てきました。そして、フクイラプトルをもっと調べたいと思いました。日本で初めての肉食恐竜の採掘だったのに、友達(恐竜好き)や小学校の先生(地学専攻)の人たちに聞いても知っている人は、少ないかったです。しかも、フクイラプトルの本や図鑑も出版されていなかったので、みんなに知ってほしいことから自分がやりたくなりました。

【子供の科学編集長より】
恐竜が好きな川島さんは、日本で発掘された肉食恐竜「フクイラプトル」をもっと調べたいという気持ちを強くしますが、資料が少なくなかなかほしい情報が手に入らない……そこでなんと、自分でフクイラプトルの図鑑をつくることにしたというのです! 私は雑誌や本づくりをする編集者ですが、熱心な研究者が企画を持ち込んでくれることがあり、まさにそれと同じものを感じました。どんなものが出来上がるか楽しみにしています。

成戸大尊(小学5年生:和歌山県)

テーマ:スペースポート和歌山発、幸せ宇宙スイーツ

 和歌山にできるロケットの射場。そこからいつか有人飛行が可能になったときに、その宇宙での生活を楽しめるようなスイーツを作りたい。特に、これまでにあるゼリーやようかんだけでなく、①地元の特産品を活かして作ること。②複雑なスイーツを宇宙食に変えること。を行っていきたい。そのための材料選びや加工の仕方を、実際のスイーツ作りと比べながら、実験を重ねて研究していきたいと思っています。

【子供の科学編集長より】
地元和歌山に民間ロケットの発射場ができることで、宇宙への関心を高めていった成戸さん。普段は料理教室にも通ってスイーツづくりを学んでいるとのことで、「2つの好き」がつながり、宇宙食のスイーツをつくりたいという想いになります。地元の特産品を活かしてつくるという計画も素敵ですね。宇宙食の審査基準をクリアする、という高い目標を目指して思い切りチャレンジしてください!

田中獅礼(小学6年生:沖縄県)

テーマ:マイクロプラスチック回収ロボット制作

 自由研究で海洋ゴミ調査をしたことをきっかけに、海を守りたいという活動をしています。 本気で海ゴミ解決の一助になりたいと思っており、行政へのお願い等も行ってきました。 また、小学3年生の3月からこの活動を続けており、SNS発信で得た活動する全国のみなさまとの繋がりもあります。海ゴミ解決の為、海のゴミ拾いボランティア活動をする皆様の相棒になる様な、ロボットを目指し製作途中のマイクロプラスチック回収ロボットの完成と実用化を目指したいです。この活動から、是非自分が完成させることに意味があると思っております。

【子供の科学編集長より】
田中さんは自由研究で海洋ゴミ調査に取り組み、本気で海ゴミの問題を解決したいという強い気持ちを持って小学3年生から活動している、アントレプレナーシップにあふれた人材。「マイクロプラスチック回収ロボット制作」というテーマは、すでに試作を続けているものを実用レベルまで持っていきたいという強い決意で応募してくれています。テクノロジーを学んで環境保護に活かそうという田中さんの将来が楽しみです。

平岩杷奈(小学6年生:埼玉県)

テーマ:身の回りの細菌が健康に及ぼす影響について調べる

 自分の皮膚や便に住んでいる細菌がどのような種類かどうか調べる。また、公園の砂場など、普段生活している環境中に、病原性のある細菌がどの程度存在しているのか調べてみたい。常在菌が、そのような病原性細菌の感染防御に寄与しているかどうかも合わせて調べたい。また、日ごろ食べている発酵食品に含まれる乳酸菌や酵母などの細菌も観察し、食べるものによって常在菌の分布に変化が見られるかも調べてみたい。

【子供の科学編集長より】
「身の回りの細菌が健康に及ぼす影響」を調べるという、とても高度な研究テーマに果敢にチャレンジしたい平岩さん。リスクもある研究になるので、ぜひ専門知識を持った大人のサポートを受け、細菌や免疫のしくみを学べる環境で取り組むべきだと思います。平岩さんの探究心が、この「小学生トコトンチャレンジ」をきっかけに研究成果として結実することを期待しています!

 採択者の8名は、12月末までコカネットプレミアム会員のサービスもフル活用して、やりたい研究に取り組みます。『子供の科学』&「コカネット」でも8名の研究を取材して、紹介する予定です。

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