【2014年ノーベル化学賞】細胞内の物質を観察できる超高解像度の蛍光顕微鏡を開発

2014年化学賞 エリック・ベッチグ博士(アメリカ・ハワード・ヒューズ医学研究所)、ウィリアム・モーナー博士(アメリカ・スタンフォード大学)、シュテファン・ヘル博士(ドイツ・マックス・プランク生物物理化学研究所) ※所属は受賞当時

 生物の体を形づくる細胞にある、小さな器官の構造や、タンパク質が働いている様子を詳しく観察することができれば、生命科学の研究は飛 躍的に進展するでしょう。

 しかし、人間の目で見ることができる光(可視光)で観察する光学顕微鏡(みんなが学校で使用するタイプの顕微鏡)では、どんなに解像度を高めても、200nm(1nmは10億分の1m)が限界でした。これでは数十~100nm程度の細胞内小器官やタンパク質の動きを観察することはできません。

 これに対して電子顕微鏡を用いれば、100nm程度の細胞内小器官を観察できますが、細胞を凍らせるなどの処理が必要で、生きた状態の細胞を観察することは難しかったのです。この課題を解決する顕微鏡を開発したのが、2014年にノーベル化学賞を受賞した3人なのです。

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