天気雨が降るのはなぜ?

雨粒が地上に届く前に雨雲が消えたり、雨粒が強い風に流されて起きる

日射しはあるのに雨が降る「天気雨」。この現象は「きつねの嫁入り」とも呼ばれます。天気雨は、雨粒が地上に届く前に雨雲が去ったときや消えてしまったとき、また離れたところで降った雨が強い風で流された場合に起こります。

雨を降らせる雲は主に2種類、「乱層雲」と「積乱雲」があります。乱層雲は平たい層状の雲で長い時間シトシトと雨を降らせます。一方、積乱雲は「入道雲」や「雷雲」とも呼ばれ、もくもくと上へ成長し、「にわか雨」や「夕立」のように短い時間ザーッと激しい雨を降らせます。

積乱雲はかたまり状で、長くても1時間で消えてしまいます。天気雨は積乱雲で発生しやすい現象です。上空に寒気がある場合や夏の日射しで地面が温められた場合、軽い空気が下になるため大気の状態が不安定となり、積乱雲は発達します。

天気予報で「にわか雨」や「夕立」が予想されるときは、天気雨に会えるチャンスです。写真は天気雨のときに現れた「虹」です。

夕方の天気雨では太陽と反対の方向に虹が見られることがあります。ぜひ探してみましょう。
(気象予報士 太田陽子)


天気雨のときに現れた虹。2010年8月29日、沖縄県で撮影。

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