メタバース

イベントレポート『メタバースワールド制作ワークショップ 自分だけの家をカスタマイズしよう!』

ワークショップの参加者による集合写真(© Cluster, Inc.)

 2023年8月27日、プレミアムワークショップ『メタバースワールド制作ワークショップ 自分だけの家をカスタマイズしよう!』がコカネット主催で開催されました。

 メタバース「cluster」内におけるワールド制作方法のレクチャーはもちろん、実際にワールド制作を行う実践編まで組み込まれたワークショップです。連載記事『メタバースに自分の世界をつくろう ―子供の科学のclusterワールドクラフト&Unityワールド制作入門』だけでは伝わりづらい部分もフォローできるイベントとして企画されました。

 クラスター株式会社から、講師として西山さん、横山さん、長崎さんの3名が参加。人数の関係で3つに分かれた各ワールドを、公式キャラクターのロボットアバターで案内してくれました。また、コカネットからは「つっちー」と「たけも」、そして私は「みみっきー」として、それぞれのアバターでワールドにお邪魔しつつ取材させていただきました。

基本操作からの説明でcluster初心者でも安心

 30名の参加者を集めたイベントは、まず講師の西山さんによるZoomレクチャーからスタート。clusterの世界についての説明を皮切りに、アバターの動かし方や視点の切り替え方、PCやタブレットでの違いなど、基礎的な部分からフォローしていただきました。

clusterでのワールドの楽しみ方から、ワールドクラフトを使ったワールドのつくり方もレクチャーしていただきました。

 操作方法のレクチャーが終わると、さっそくワールドクラフト実践編に移ります。実際のワールドづくりではデータ容量も関係するため、10名ずつ3つのサンプルワールドに分かれて行われることになりました。サンプルワールドにはcluster社の講師が1人ずつ常駐して、質問を受けたり、作業のサポートをしてくれます。

3つのワールドに分かれてカスタマイズ開始!

 サンプルワールドは中央に十字路があり、メインストリート沿いに一軒家が並ぶ住宅展示場のような雰囲気です。通常のワールドクラフトでは何もない平原のようなところからスタートするので、地面をどんなテクスチャーにするのか、どのくらいの広さの部屋にするのかなど、自由ではあるものの、とっかかりに困る方もいます。

ワールドクラフトを1からスタートすると、こういった場所からになります。(© Cluster, Inc.)

 しかし今回のワークショップでは、最初からガイドラインとして2階建ての家が建てられています。壁や床は既存のものと置き換える形で好みのパーツを配置することができますから、通常のワールドクラフトよりもハードルは低く、イメージしやすかったのではないでしょうか。

ワークショップ参加者のお宅拝見!

 2フロアのがらんどう状態から開始して、ワークショップの時間は60分ほど。私たち取材陣は3つのワールドを移動しながら参加者の「我が家」を見学して回りました。その際にいくつか印象的だったアイディアをご紹介します。

 まずは外に「氷」。中にかき氷機が設置されたこのお宅。去りゆく夏休みが惜しいのか、かき氷屋さんをつくってくださったんですね。訪問時に制作者の方がいらっしゃらなかったのでどなたがつくられたのがわからないのが惜しい。

カウンターと別にかき氷機があるので、セルフ式でしょうか?(© Cluster, Inc.)
外にはちゃんと氷のれんが。自販機もあって、お店の雰囲気が出ていますね。(© Cluster, Inc.)

 こちらは部屋の中もさることながら、花や木が植えられていて、玄関の外まで気が使われています。洋室のリビングや2Fの和室もあり、モデルルームとして成立しているお宅でした。

もっと広いお庭だったらどんな庭になるのかな、と想像させてくれます。(© Cluster, Inc.)

 近未来感のあるエフェクトがかかった床を全面に採用して、大きなソファーとテレビ、シャンデリア。ポップコーンやフルーツも置かれているので、これから未来っぽいパーティーを開催する会場でしょうか。

フロアも広く取られているので、みんなでダンスしながら楽しめそうです。(© Cluster, Inc.)

 2Fの床を取ってしまって、天井の高い和室ワンルームに仕上げられたお宅。階段や照明などの小物も和テイストに統一されていて、こだわりが感じられます。

アバターと比較すると広さがわかると思います。柔道の試合もできそうです。(© Cluster, Inc.)

 発想の自由さにびっくりしたのが、「部屋の中にバス」が入っていたお宅です。車は外、という常識なんてメタバースには必要ないですものね。好きだったら、ミニカーじゃなくて本物を部屋に置いてもOKなのです。

置こう、と考えて置いてしまうワークショップ参加者の発想に脱帽でした。(© Cluster, Inc.)

 講師の皆さんの想像をはるかに超えていた設備もありました。2F建てのお宅に地下室を作ろうと奮闘されていたんです。今回のワールドではシステム上、地下室を作れないはずなのですが、床を抜いたところに屋根のパーツを配置してスロープとして使用し、ちょっとだけ1Fの床下に潜ることができるようになっていました。

できないはずのことを可能にしてしまうアイディアが素晴らしい!(© Cluster, Inc.)

最後は集合写真を撮って終了

 参加者の皆さんはどんどんアイディアが出てくるのでしょう。先ほど訪問した家が、ひと回りして戻ってくると全く別のレイアウトに変わっていたりするのは当たり前。1つの家をつくり上げるタイプの参加者と、あれこれ試してみることに主眼を置かれた参加者とに大きく分かれていたように感じました。

 予定時間を過ぎても参加者の制作エネルギーは落ちておらず、正直皆さんの家を見て回っていると取材しながら時間を忘れてしまっていたほどでした。とはいえイベントとしては一区切りをつけなければならないということで、最後は参加者の皆さんで集合写真を撮影。ワールド内のスクリーンに映して鑑賞し、今回のワークショップはお開きとなりました。

ワークショップ用ワールドに設置されたスクリーンに集合写真が映されました。(© Cluster, Inc.)

 残念ながら回線やサーバーの不調、飛び入りの用事などで途中退出されてしまった参加者の方もいらっしゃったようですが、また次の機会に参加していただけたらと思います。そしてこのワークショップで経験したノウハウを使って、オリジナルのワールドを作られるclusterユーザーが1人でも多く生まれることを期待しています! ご参加ありがとうございました!

梓みきお 著者の記事一覧

フリーライター。1999年以降、実際に目の前で動くロボットや腕時計のジャンルを中心として取材・執筆に携わっている。大きく分けて歯車で動くものの多くが興味の対象。

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