テレビはどうして横長になったの?

映画のサイズに合わせたから

ハイビジョンテレビの画面は、横と縦の長さの比が、16:9になっています。縦の長さに対して横の長さは約1.78倍の長さです。以前のアナログテレビの横と縦の比は、4:3でしたから、かなり横長になっています。なぜ、横長の画面になったのでしょうか。

理由のひとつは、横長画面のほうが迫力のある映像が楽しめるからです。アナログテレビの時代からハイビジョンを研究してきたNHKの放送技術研究所の研究で、横と縦の比が5:3か6:3の画面がもっとも迫力を感じることがわかりました。そこで、ハイビジョンの国際規格を決めるときに、このデータを元にして、映画のサイズに近い縦横比に決まったのです。

映画が誕生した頃(19世紀末から20世紀初め)は、縦横比が4:3でした。映画より後から登場してきたアナログテレビは、このサイズに合わせたのです(アナログテレビが登場したのは、1950年頃)。しかし、映画は迫力を増すために、どんどん横長のサイズになっていきました。映画でよく使われるサイズはビスタサイズといって、縦横比が1.85:1のものです。ハイビジョンテレビの横縦比は、これに近いサイズにしようということで16:9になりました。


映画とテレビの画面のサイズを比較してみると…

白鳥 敬(サイエンスライター)

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