昭和基地のオゾンゾンデ観測(2023年12月号)

オゾンゾンデを飛ばす直前の様子。

 オゾンは酸素原子3個からなる気体です。上空約10~50kmには、オゾンの集まっているオゾン層があり地球を覆っています。

 南極では、春になると上空のオゾンが破壊され、オゾンホールと呼ばれるオゾン層に穴のあいたような状態になる現象が見られます。オゾンの破壊はかつて冷蔵庫やエアコンなどに冷媒として使われていたフロンガスなどによって引き起こされます。オゾン層は有害な紫外線から地球上の生きものを守る役割があるため、監視し続ける必要があります。

 南極昭和基地では、いくつかの観測によって上空のオゾンの量を調べています。中でもゴム気球に観測測器を吊るすオゾンゾンデ観測は、オゾン層のある上空まで観測測器を上昇させて直接オゾンを観測することができます。オゾンホールの規模を調べるのにたいへん有効な観測方法です。

オゾンゾンデを飛ばす前に、観測データが正常に取得できるかどうかを確認する点検。

(第64次南極地域観測隊 気象部門 西巻英明)
掲載協力/国立極地研究所

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