知ってた? この3月からアマチュア無線の「お試し交信体験」が簡単に!

 かっこいい無線機を使って世界中の人と交信したり、ボランティア活動の通信で大活躍したりできる趣味、アマチュア無線(ハム)。興味があるという読者も結構多いんじゃない?

 公共の電波を使う趣味だから、始めるためには「アマチュア無線技士」という国家資格が必要だ。でも、しっかり勉強すれば小学生でも国家試験に合格できるし、わかりやすい授業を受けて、最後に行う修了試験に合格すると免許証がもらえる「養成課程講習会」という制度もあるんだよ。

アマチュア無線の交信風景。小型のハンディトランシーバーを使って、気軽におしゃべりが楽しめる。

 ところで、みんなの中には、資格に挑戦する以前に「ハムになったら、どれだけ遠くの人たちと交信できるのかな?」、「どんな感じでおしゃべりするんだろう?」など、そもそもの部分をまず知りたいという人もいるだろう。そんなキミにビッグニュース! 今年の3月22日、アマチュア無線に関する法律が変わって、資格を持っていない人たちでも「お試し交信体験」が手軽にできるようになったんだ。

 たとえば、キミの家族や親戚、学校の友だちや先輩、先生、近所の人たちなどで、自分のアマチュア無線局を開設している人がいればチャンス! その人の無線機を使って、指導を受けながら、実際の交信が体験できてしまうんだ。特別な手続きは必要ないので、「じゃあ、今日の放課後にボクの家の無線機で体験しようよ!」なんて、簡単に決まるかもしれないね。

アマチュア無線の交信体験の一例。無資格者(右)が、有資格者(左)の指導を受けながら交信に挑戦中。この3月からより手軽に体験することができる。(写真提供:JARL)

 ちなみに、交信の始まりと終わりのときの無線機の操作やアナウンスは、有資格者が行うのがルールだ。交信の途中で、相手局に「では、これから体験者と代わりますね」と断ってからマイクをキミにバトンタッチ。ドキドキの交信の間も、隣でずっと見守ってくれるから心配しなくてOKだよ。

 「ボクのまわりには、アマチュア無線をやっている人がいないから……」という人も大丈夫。全国にはたくさんの「アマチュア無線クラブ」があって、イベント会場などで公開運用を行うことがある。たまたま見掛けたときには交信体験をお願いしてみるとよいだろう。これからは、各地で開かれる「ハムフェア」などのアマチュア無線イベントの会場にも、気軽に交信体験ができるコーナーが設けられるかもしれないよ。

地域のアマチュア無線クラブが行った「公開運用」の例。
日本最大のアマチュア無線イベント「ハムフェア」会場の無線運用コーナーはこんな感じだよ。今まではできなかったけど、今後は無資格者も交信体験できるようになるといいね!

 アマチュア無線の交信体験については、総務省の「電波利用ホームページ」のアマチュア無線コーナーにある「アマチュア無線の交信体験制度(体験運用)」に詳しく紹介されているので、一度チェックしてみよう!

総務省のホームページでは、「この交信体験を『きっかけ』に、グローバルに活躍する将来の技術者・研究者が育っていくことが期待されています」と案内されているよ(https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/ama_experience/index.htm)。

 お試し体験をしてみて「やっぱりアマチュア無線って楽しい!」って思ったら、ぜひ資格試験にもチャレンジしよう。充実したハムライフをスタートさせてほしいぞ!

文・写真

羽根田新 著者の記事一覧

フリーランス編集者 兼 ライター。無線機器メーカーの宣伝部、無線専門誌の編集長、携帯電話情報誌の副編集長などを経て2011年に独立。アマチュア無線歴49年。

 

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