時速500kmを体感! 超電導リニアに乗ってみたぞ!

「超電導リニア」は、超電導磁石を活用したリニアモーターカーのことだ。超電導リニアは、最高時速500kmで走行して、東京と大阪を約1時間で結ぶことができる。現在走行試験が行われているこの超電導リニアに、なんとコカ編集部が乗ってきたぞ。場所は山梨県にあるJR東海山梨実験センター。ここにある山梨リニア実験線で体験してきたよ。さて、時速500kmとはどんな感じなのかな?

山梨リニア実験線を走る超電導リニア

超電導リニアって?

 超電導リニアは磁石の力を利用して車両を浮かせて走るので、高速で低騒音、低振動なのが特徴だ。リニアモーターとは回転式のモーターを直線状に引き伸ばしたもの。このモーターの内側にある回転する部分が車両に搭載される超電導磁石で、外側の固定されている部分が地上に設置される推進コイルに相当するんだ。
 超電導磁石は、N極とS極が交互に配置されていて、推進コイルに電流を流すことにより発生する磁界(N極、S極)との間で発生する、N極とS極の引き合う力とN極同士、S極同士の反発する力によって車両が前に進むんだ。

超電導リニアが動くしくみ。リニアモーターとは普通の回転モーターを直線状に引き伸ばしたもので、その特性を利用している。

 また、車両側の超電導磁石が高速で通過すると、地上側の浮上案内コイルに電流が流れて電磁石になり、車両が浮く力が発生するよ。

超電導リニアが浮いて走行するしくみ。高速になるほど走行が安定するうえに、側壁もあるので脱線することはない。また、停電してもある程度速度があれば浮く力が発生し続けるため、車両は急に地面に落ちることなく、安全に停止する。

どんなコースを走るの?

 今回超電導リニアが走った山梨リニア実験線は、山梨県笛吹市から上野原市までの42.8km。そのうちトンネル区間は35.1kmだ。コースは高低差があって、最急こう配が40‰(1km進んだら40m上がる傾斜)。超電導リニアはこんな急なこう配にも強いんだって。

山梨リニア実験線の解説。今、試験走行をしている超電導リニアの位置や速度も表示している。

超電導リニアに乗って、発車!

 いよいよ超電導リニアに乗り込む時が来た。乗降装置から乗り込んだ車両の中は、新幹線よりコンパクトな感じ。明るくてワクワクするぞ。

乗降装置から乗り込む。飛行機のゲートに似ている。
車内の様子
座席は2列ずつになっている。
止まっている状態で見た窓からの景色。窓は新幹線より小さめ。

 みんなが席に座って、いよいよ出発。走り始めは細かい振動と、左右に揺れる感じがする。例えると、飛行機に乗った時に、離陸前に滑走路を走るけれど、あの時の感じに近いかな。
 どんどんスピードが上がっていく。時速150kmになったあたりで「まもなく浮上走行に切り替わります」という車内アナウンス。
 その直後、それまで聞こえていた振動がふっと消えて、飛行機の離陸に似た浮いた感覚がして、思わず感動。新幹線とはまた違った感じがする。

そしてとうとう時速500km!

 その間もどんどん速度は上がり、そしてとうとう時速500kmに! 窓から見えるトンネルのライトは線状になる。ほとんどトンネルの中の走行なので、景色は見えないけれど、自分がものすごい速さで移動しているのはわかる!
 時速500kmで数分間安定走行をしたら、そのあと少しずつ減速をして、終点に到着。すぐに折り返してまた時速500kmを、今度は逆向きで体験。思ったよりスムーズ!

 下の写真は、超電導リニアに搭載されているカメラからの映像だ。全部トンネルの中だけど、速度によって見え方が違っているのがわかるんじゃないかな。

時速177kmだと、トンネルの中も比較的よく見える。
時速293kmだと、線状に見えてくる。東海道新幹線「のぞみ」の最高速度が時速285kmなので、それよりも少し速い。
時速500kmだとさらに見え方が変わってくる。

 時速500kmで2回走行して、超電導リニア乗っていたのは全部で約25分間。時速500kmの経験はなかなかおもしろかったぞ!

 ちなみに、山梨実験センターのすぐそばに「山梨県立リニア見学センター」がある。ここでは山梨リニア実験線での超電導リニアの走行試験の様子が見学できたり、超電導リニアの原理を体験できたり、試験車両の実物が展示されているよ。ぜひ遊びに行ってみてね!

超電導リニアの試験車両などが展示されているぞ!

 また、なんと超電導リニアの特徴をダンスで表現した「リニアダンス」がYouTubeで公開されている。「速い」、「浮く」、「磁石の反発」がダンスで表現されている。踊っているのは「こどもちゃれんじ」(ベネッセコーポレーション)のキャラクター、「しまじろう」。

 この「リニアダンス」、TwitterやInstagramで投稿することで応募できるコンテストを現在開催中。入選すれば、超電導リニアの体験乗車会に参加できる。詳しくは下記のサイトをチェックしてみてね!

リニア中央新幹線×しまじろう「リニアダンス」
https://linear-chuo-shinkansen.jr-central.co.jp/lineardance/

取材協力/東海旅客鉄道株式会社
写真撮影/川上秋レミイ

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