【子供の科学5月号別冊付録】「野外に放してはいけない身近な生きもの」~外来種のルールを知ろう!~

 『子供の科学』2024年5月号の別冊付録「いきものづきあいMINIルールブック」は見てくれたかな? ここではさらに「外来種(がいらいしゅ)」と野生生物について、気をつけたいルールを紹介します。

●外来種のうち、生態系によくない影響を与える「特定外来生物」

別冊付録「いきものづきあいMINIルールブック」で紹介しているように、よその地域から人間によって持ち込まれた生物を「外来種」といいます。その中には、アメリカザリガニのように日本の生態系や人の暮らし、農林水産業などに被害を及ぼす恐れのある生物もいて、特別に指定されたものを「特定外来生物(とくていがいらいせいぶつ)」と呼びます。これらは外来生物法(※)によって、取り扱いにさまざまな規制があり、違反した場合には罰則もあります。

※正式名称は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」

●飼っている生きものが「特定外来生物」に指定されたら?

生きものの飼育中に、その生きものが「特定外来生物」に指定されることも十分考えられます。「特定外来生物」に指定された生きものは、新しくペットとして飼育することは認められません。ただし、規制される前から飼育していれば、指定後半年以内に許可申請を行うことで、飼育し続けることができます。

●特例が設けられたアメリカザリガニとミシシッピアカミミガメ

近年、アメリカザリガニとミシシッピアカミミガメ(ミドリガメ)が条件付特定外来生物に指定されました。一般家庭で飼っている場合は、許可が不要のまま飼い続けられる特例が設けられています。

アメリカザリガニ(原産地:アメリカ)
【問題点】水草の切断や水生生物の捕食、ザリガニペストなどの病気の媒介、在来種の二ホンザリガニとの競合
ミシシッピアカミミガメ(原産地:アメリカ~メキシコ)
【問題点】水生生物の捕食、在来種のカメとの競合、レンコン畑などの農業被害

●野生生物の捕獲に関する「特定第二種国内希少野生動植物種」とは?

絶滅危惧種の保全につなげようとする制度のひとつとして、「特定第二種国内希少野生動植物種」があります。これは、捕獲自体は禁止していないものの、販売・頒布など、野外での大量捕獲につながるような捕獲や譲り渡し、陳列・広告などを禁止するものです。

●「特定第二種国内希少野生動植物種」の生きものの例

以下の生きものは個人で鑑賞するために捕獲・飼育することはできますが、販売・頒布目的での捕獲や譲り渡しなどは禁止されています。

・タガメ
・カワバタモロコ
・トウキョウサンショウウオ

タガメ。身近な生きものだけど、誰かに売ったり、友達に配ったりするのはNGだよ。

この他にも、小型サンショウウオ類などで年々、指定種が追加されています。生きものを野外で採集するときは、法律上に問題がないかを確認することが大切です。

とはいえ、どんな法律があって、何に気をつけたらいいのかを把握するのは大変ですよね。そんな生きものにまつわる法律をわかりやすく、まんがで教えてくれるのが『街から山、川、海まで 知っておきたい身近な自然の法律 いきものづきあいルールブック』! 「自然環境」や「野生生物」と関わる上で気をつけたい「法律」や「マナー」について、ストーリーまんがと解説ページでわかりやすく紹介しています。別冊付録で登場した、自由気ままなキツネやしっかりもののタヌキさん、メガネ課長の掛け合いもポイントです♪ 「詳しく知りたい」と思った人はぜひチェックしてみてくださいね。

『街から山、川、海まで 知っておきたい身近な自然の法律 いきものづきあいルールブック』
【著】一日一種 【監修】水谷知生、長谷成人
誠文堂新光社 1980円(税込)

文/子供の科学編集部
出典/『街から山、川、海まで 知っておきたい身近な自然の法律 いきものづきあいルールブック』(誠文堂新光社)

子供の科学2024年5月号

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