文豪ペンシル

 「KeyTouch(キータッチ)」は、パソコンにつないでなんでもコントローラーにできる発明ツールだ! キータッチの基板をパソコンにつないで、ワニ口クリップではさんで好きなものをつなぐ。それだけでパソコン上のプログラムで、つないだものをコントロールできるんだ。

 『子供の科学』本誌の連載では、楽器やゲームのコントローラーつくってきたけれど(バックナンバーは「KeyTouchでつくってあそぼう」旧サイトで公開しているぞ)、この「スタプロ」のWeb連載では、キータッチを使った発明レシピを紹介していくぞ! この記事を参考にして、キミの周りにあるものを、Scratch(スクラッチ)のプログラムと組み合わせた発明品「タッチガジェット」に改造してみよう!

 またこの連載では、「KoKa KeyTouchクリエーターBOX」が必要なので、持っていない人は「KoKa Shop!」で手に入れよう。

 今回は、「文豪
ぶんごう
ペンシル」をつくるぞ。「文豪ペンシル」はまるで文豪
、つまり文章を書く達人のようにスラスラ文字を書いている…ように見せる鉛筆だ。

 鉛筆の芯は、黒鉛が使われているので電気を通す。また、紙の上に書いた鉛筆の跡も同じように電気を通すよ。電気が通るものであればキータッチをつないて、パソコンに信号を送ることができる。この特性を利用して、紙に鉛筆で書いた
あと
に続けて書いていくことで、鉛筆で文字を書くとキータッチがパソコンに信号を送る、というしくみができそうだ。

1 文豪ペンシルの材料をそろえる

文豪ペンシルをつくるのに必要なのは、次のような材料だ。 キータッチ本体やワニ口ケーブルなどは、この連載の専用キット「KoKa KeyTouchクリエイターBOX」に入っているよ。

  1. えんぴつ:1本 
  2. アルミホイル:5㎝×8㎝程度 
  3. カッター 
  4. テープ 
  5. 白い紙 
  6. キータッチ本体 
  7. キータッチ専用USBケーブル 
  8. ワニ口ケーブル(黒1本、色付き1本)
文豪ペンシルの材料

2 鉛筆のおしり側を浅くけずる

 紙に書いた鉛筆の
跡と、鉛筆の
しん
の部分に、ワニ口ケーブルをつなげるよ。その前に、配線しやすいように鉛筆のおしり(書くのとは反対側)を浅く削ろう。鉛筆削りを使ってもいいけど、を太めに残したいので、カッターで削る方法を習っていたら、カッターの方がやりやすいよ。ただし、ケガをしないように注意してね。

カッターで鉛筆のお尻を浅く削る
鉛筆のおしり側を削る
鉛筆のおしり側を削って芯を出す
鉛筆のおしり側を削ってを出す

3 アルミホイルを鉛筆のおしりにまく

 アルミホイルを折りたたんで、細長くするよ。短い5cmのほうから、だいたい1cmの幅で5回折りたたむよ。折りたたむことでやぶれないようにしているんだ。

アルミホイルを折りたたむ
1cmくらいの幅で、細長く折りたたむ
おりたたんで細長くしたアルミホイル

 折りたたんだアルミホイルをテーブで鉛筆のおしりにまく。写真を参考にして、片方が長くなるようにして、セロハンテープで止めよう。セロハンテープは短いほうのアルミホイルに合わせて貼り付けるようにしてね。

鉛筆にアルミホイルを巻く

 鉛筆にアルミホイルを巻き付けたら、おしりの部分のアルミホイルを押し付ける感じでつぶして、密着
みっちゃく
するようにしよう。アルミホイルと鉛筆のがうまくくっつくようするためだよ。

おしり側のアルミホイルを密着させる
アルミホイルをつぶして密着させる

4 キータッチに配線する

 鉛筆にアルミホイルを巻き付けたら、キータッチにつなげよう。鉛筆のおしりに貼ったアルミホイルで、長く残しておいたほうに黒のワニ口ケーブルをつなげるよ。反対側のクリップは、キータッチの「EARTH」につなごう。

キータッチに鉛筆を配線する
鉛筆のアルミホイルを「EARTH」につなぐ

 白い紙の端から、鉛筆で細長い四角形にぬりつぶそう。

白い紙の端から鉛筆で塗りつぶす
白い紙の端から鉛筆でぬりつぶす

 ぬりつぶした端の部分に、赤のワニ口ケーブルをつなげる。反対側のワニ口クリップは、キータッチの「A」につなげるよ。これで文豪ペンシルの装置は完成だ。

ぬりつぶしたはしの部分に、赤のワニ口ケーブルをつなげる。反対側のワニ口クリップは、キータッチの「A」につなげる

5 スクラッチのプログラムで遊ぶ

 完成した文豪ペンシルを動かすには、キータッチとパソコンを専用のUSBケーブルで接続するよ。

キータッチをパソコンにつなぐ

 音の素材だけ設定したファイルをスクラッチのサイトに用意しているので、こちらからScratchを開いてね。 ここにあるプログラムは、鉛筆を紙でこすっているような音が「鉛筆」のスプライトに設定されているものだ。鉛筆をキータッチの「A」の端子に接続しているので、スクラッチのプログラムでは「aのキーが押されたとき」ブロックに、音を鳴らすブロックを組み合わせているよ。音は「1」と「2」が選べるので、好きなほうを選んでみて試してみよう。

鉛筆の音を鳴らすプログラム

 鉛筆で、赤いワニ口ケーブルをつなげた鉛筆の跡からつなげて何か書くと、パソコンからゴリゴリと効果音が流れるよ。なんとなく、文豪
が熱心に文章を書いているような気がしない? これで猛勉強している“フリ”ができるかも知れないね。もちろんほかの音が出るようにプログラムしてもいいよ。どんどん改造してみよう!

鉛筆で塗りつぶしたあとから書き始めると、音がするよ

 文豪
《》
ペンシルのプログラムを改造してみた例が、次のプログラムだ。音だけじゃなくて、鉛筆のスプライトが動くようにしているよ。

文豪ペンシルプログラム改造版
https://scratch.mit.edu/projects/377071650

 改造したプログラムをつくったら、ぜひ子供の科学編集部にも教えてほしい。保護者の方と相談して、TwitterなどのSNSに投稿ができるようだったら、#子供の科学 #キータッチ #文豪ペンシル などのハッシュタグをつけて投稿してね!

(文/未来工作ゼミ 写真/青柳敏史)

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株式会社アソビズムのICT教育活動を行う部門として2012年より活動をスタート。モノづくりやプログラミングなどのワークショップなどを展開している。 未来工作ゼミ

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