もうすでにキミの家のどこかにいるぞ!「微生物と友達になろう」-自由研究スペシャル

 プランクトンなどの微生物は、実は身のまわりにたくさんすんでいる。ちょっとした工夫で微生物をつかまえて、顕微鏡で観察しよう。小さいけれど個性豊かなその姿に、見とれてしまうこと間違いなし。どこにどのような微生物がいたかを記録するだけでも、立派な自由研究になるぞ!

研究テーマ ❶ 鉢植えや花びんを探そう

 微生物の多くは他の生物と同じように、生きもの同士で助け合ってすんでいる。つまり、他の生きものが生きている場所には微生物もいる!ということで、鉢植えやプランター、花びんや水槽などを探してみよう。特に花びんや水槽のかべがヌルっとしていたら、微生物が繁殖している証拠だ。

 やり方はとても簡単。鉢植えなどのふちや花びんの水、水受け皿などにたまったゴミなどを採集して、プレパラートにするだけ。鉢植えのゴミのようなものは一度少し水をかけて皿などに洗い落とし、その水をスポイトなどでとって、プレパラートにしよう。

 部屋のなかの水槽やベランダ、裏庭などで10分ほど採集するだけで、観察しきれないほどの微生物を見つけることができる。あとは顕微鏡で観察だ! 顕微鏡がない人は登校日などに学校の顕微鏡を使わせてもらえないか、先生に相談してみるのも手だ。

鉢植えの下に敷く水受け皿にたまったものをスプーンなどですくう。
花びんなどの水や、金魚などを飼っている水槽の水をスポイトでとる。
花壇の石や日陰のブロックなどに生えているコケをピンセットでつまみとる。

知っておきたいプレパラートづくりのきほん

 普通の顕微鏡で観察をするときには、見たいものをプレパラートにする。微生物のように小さな生き物は、水ごとスライドグラス(厚さ1mmほどのガラス板)にのせて、カバーグラス(とても薄いガラス板)をかぶせればOK。多少、気泡が入ってしまっても観察はできるから気にするな。何度もつくるうちにコツがわかるので、どんどんチャレンジしよう。

顕微鏡でのぞいてみたら…

■鉢植え

ゴミのかたまりにゾウリムシの仲間がくっついていた。より小さなバクテリアなどを食べている。

■金魚の水槽

緑藻の仲間。緑色の色素(葉緑素)が植物プランクトンの証だ。

■コケの中

ケイソウの仲間がいっぱい。いろいろな形があり、場所によって見られる種類が違う。体内に茶褐色の色素を持っていて、これで植物のように光合成している。
センモウチュウという動物プランクトン。体の表面にある細かい毛を動かして動きまわる。
センチュウの仲間と思われる、細長い微生物。ミミズのようにくねくねと体をくねらせて動く。

写真・文

山村紳一郎 著者の記事一覧

サイエンスライター/和光大学非常勤講師。1956年、東京都生まれ。東海大学海洋学部卒。編集記者、カメラマンを経て、現在は自然科学から先端技術までの執筆や、科学館の企画プロデュースなどを行う。天体観測と顕微鏡観察が大好き。

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研究テーマ ❷ 微生物を育てよう

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