人工知能で何したい? 「みんなでつくるAIマップ」

 日本科学未来館では、2020年2月3日~24日に「ハロー!AI社会~人工知能
じんこうちのう
で何したい?」と題したアンケートを実施
じっし
。この結果をまとめ、寄せられたさまざまな意見を一望
いちぼう
できるように、一般社団法人 人工知能学会の協力のもと「みんなでつくるAIマップ」を作成、日本科学未来館のウェブサイトで公開しているよ。

「みんなでつくるAIマップ」
https://www.miraikan.jst.go.jp/aboutus/focus/aimap.html

 人工知能(AI)の利用が社会のあらゆる場面に広がる中、アンケートではさまざまなライフイベントを取り上げ、「AIを使いたいのか使いたくないのか」「どんなことに期待するのか」「何が不安なのか」率直
そっちょく
な声を集めた。その結果、漠然
ばくぜん
とした想像しかできなかった「AIのある生活」についての意識や感情が見えてくるマップが出来上がったんだ。

関心が高いのは「医療」「防災」

 アンケートでは「選挙」「結婚」「恋愛」「防災」「介護」「子育て」「死後」「職業選択」「医療」という9 つのライフイベントの中で、AIが関わるイベントとして興味のあるものを3つ選ぶ。ここで最も多く選ばれたのは「医療」、続いて「防災」だった。世代間の差もあまり見られなかった。

AIへの拒否感は若い世代の方が強い

 それぞれの場面で「AIを使いたいですか?」という問いに対して、10代20代の若い世代の方が、「使いたくない」と答える傾向が強いことが見えたんだ。「感情やそのときの状況など、すべてをデータで測れるとは思わないから」(20 代)などの意見があった。

AI を使いたいとき、使いたくないとき

 「医療」「防災」では9割の人が「使いたい」と答えたが、亡くなった方の言動を忠実
ちゅうじつ
に再現する「AI 故人
こじん
」を使いたいかたずねた「死後」では、「使いたくない」人が5 割を超え、意見が分かれる結果となった。使いたくないという人からは、「思い出を
けが
される」などの意見があった。

AIマップをながめてみよう

 アンケートで寄せられた声をグルーピングしてみると、4 つの傾向が浮かび上がった。

〈信頼〉 AI は課題を解決してくれる

〈期待〉 AI で社会全体が良い方向に進む

拒絶
きょぜつ
〉 AI が人間の代わりにはならない

〈不安〉 AI は社会に影を落とす存在になる

 「みんなでつくるAIマップ」をながめながら、ぜひAIとはどのようなもので、AIとどのようにつき合っていけばいいのか、考えを巡らせてみよう。

 プログラミングを学び、楽しんでいる読者のみんなは、AIとうまく付き合い、使いこなして自分のアイデアを実現し、よりよい社会をつくっていく存在だ。「みんなでつくるAIマップ」はきっと、そんなみんなの参考になるはず!

アンケート概要

実施期間:2020年2月3日(月) 17:00~2月24日(月) 17:00

実施場所:オピニオン・バンク(常設展示内およびWEB サイト)

調査実施:日本科学未来館

協力:一般社団法人 人工知能学会 有効回答数:887(回答数:1,061)

アンケート手順:

(1)9 つのライフイベント(恋愛、職業選択、選挙、結婚、子育て、医療、防災、介護、死後)の中から3 つを選択

(2)それぞれのライフイベントごとにAI が活用される具体的なシーンでの質問が3~4 つ示され、自分の気持ちに最も近いと思われる選択肢を選ぶ

(3)自由コメントを記載

詳細は以下のサイトでチェック!

みんなでつくるAIマップ

(文/子供の科学編集部)

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