大阪市立自然史博物館では、11月1日(土)~2026年2月1日(日)まで、特別展「学芸員のおしごと −集める・調べる・伝える−」を開催。博物館で働いている「学芸員」はどんな仕事をしているのだろう? 学芸員という役割、その仕事を知ることで、博物館がますます楽しくなる! ここでは展示の見どころをチラっと紹介するよ。
博物館にいる学芸員には、展示の企画・作製だけではなく、標本の収集や管理、標本を用いた研究などの大事な役割がある。本展では、標本とは何か、標本収集の意義、どのようなものをどうやって集めているのかを詳しく紹介。標本のつくり方や保存の仕方は対象によって大きく変わるよ。

チョウをはじめとした昆虫標本は、標本を作製する際に昆虫針を用いて羽や足の形を整えて、乾燥させて標本にします。

そのまま乾燥させて保存するのが難しい生き物は、エタノールなどの薬品に浸けて保存します。これを液浸標本といいます。保存液に浸ける前に、ホルマリンなどの薬品でタンパク質を変性させ、形態の保存性をよくする処理をすることもあります。写真は大阪湾産のケンサキイカの液浸標本です。

化石の標本は、化石の周りについている砂や泥などを削り取ることで(この作業をクリーニングといいます)、化石の本体だけをきれいに取り出して標本にします。写真は和泉山脈に分布する和泉層群から見つかったアンモナイト化石、ネオフィロセラス・ヘトナイエンゼ(Neophylloceras hetonaiense)です。
また、博物館には学芸員によって収集された標本に加えて、プロ・アマチュア問わず研究者や市民などから寄贈を受け、コレクションとして加わった標本も多くある。そういった標本を管理し、重要な情報が失われないようにするのも、学芸員の仕事だ。

浅い大阪湾にも、大型クジラがしばしば迷い込んできます。自然史博物館ではできるかぎりその標本化を行っています。標本にすることで、クジラの研究が行われ、その保護に活かす上で貴重な情報が得られます。写真は2021年(令和3年)7月に、死体が大阪湾をただよっていたニタリクジラを堺の埋立地に陸揚げして解体したのちに、自然史博物館に運んで骨格標本に仕上げたものです。縦3m、幅1.5m。
その他、標本を「守る」、「調べる」、「見せる」役割について、地域の市民との活動についてなど、多岐にわたる学芸員のおしごとについて知ることができるよ。会期中には、講演会やギャラリートーク、ワークショップなども開催予定。詳細は、公式サイトをチェックしてね!

| イベント名 | 特別展「学芸員のおしごと−集める・調べる・伝える−」 |
| 会期 | 2025年11月1日(土)~2026年2月1日(日) |
| 時間 | 9時30分~16時30分(入館は16時まで) |
| 休館日 | 月曜日(ただし、月曜日が休日の場合はその翌平日) 年末年始(12月28日〜1月5日) |
| 観覧料 | 中学生以下/無料、高校生・大学生/300円、大人/500円 その他、期間内特別展フリーパス券や常設展とのセット券などもあり。詳細は公式サイトで確認。 |
| 会場 | 大阪市立自然史博物館 |
| 住所 | 〒546-0034 大阪市東住吉区長居公園1-23 |
| 公式サイト | https://omnh.jp/tokuten/2025oshigoto |