顕微鏡写真の力作がいっぱい!「ミクロ写真コンテスト」結果発表

 顕微鏡でいろいろなミクロの世界を観察して、撮影した写真を応募する「ミクロ写真コンテスト」(主催:レイメイ藤井)。「おもしろミクロ世界(ワールド)の発見!!」というテーマで、たくさんの作品が集まり、子供の科学の連載でもおなじみ山村紳一郎先生と、ハンディ顕微鏡の開発を行うレイメイ藤井商品企画室、そして子供の科学編集部により審査が行われました。

 ほんとに力作ぞろいで、選考にむちゃむちゃ迷いました。工夫や発見のおもしろさを重視して選んだけれど、他にも優れた作品がいっぱい。なので入選しなかった人も気を落とさず、これからも顕微鏡観察を大いに楽しんでくださいね。

 さあ、どんな作品が受賞したのか、さっそく見ていきましょう。

最優秀賞

石けんの泡のかべ

作者名(ペンネーム):石けんハカセちゃん(9歳:女)
観察物:石けんの泡をクリアカップで挟んだもの
観察倍率:100倍

【作者コメント】

100円ショップのクリアカップ2コに石けんの泡をはさんで、ひっくり返します。カップの底に顕微鏡をあてると、レンズにつかないように液体を見ることができました。
底が平らな硬いカップです。石けんの泡みたいなフワフワしたものでも見ることができました。乾いた石けんの泡は250 倍でよく見えました。石けんの泡の壁だったところが残って、白い結晶みたいでした。かわく前とかわいた後をくらべられて面白かったです。

【山村先生からのコメント】

泡という着眼点がユニークだし、「コップの底ではさむ」というアイデアもばつぐん!写真も、泡の内側や壁の空間がしっかりと&美しくとらえられていて、びっくりしました。
いっしょに乾いた泡も観察したのは、「違った状態を調べる」という科学的な視点ですばらしい。石けんや洗剤などの種類や、濃さなどを変えて泡のようすをくらべてみると、とてもおもしろい自由研究になると思いますよ。

優秀賞

青空のしゃちほこ

作者名(ペンネーム):ふき(7歳:女)
観察物:つゆくさ
観察倍率:180倍

【作者コメント】

つゆくさの花びらに花粉をのせてみたら、金のしゃちほこみたいだった。青い花びらが空にみえた。

【山村先生からのコメント】

カラフルな作品をたくさん応募してくれたふきさん。中でも、花びらと花粉の色の取りあわせがひときわ美しいこの作品が優秀賞です。黄色い花粉が黄金色に輝いて、たしかに「金のしゃちほこ」に見えますね。少し透き通った部分の色合いなど、光の当て方がうまくいきました。高倍率のためか少しふんわりした絵の雰囲気も印象的だし、タイトルのつけ方もすてきです。これからも美しいミクロ写真をたくさん撮ってね。

審査員特別賞

ハグロトンボのダイヤモンド

作者名(ペンネーム):とんぼ(9歳:女)
観察物:ハグロトンボのはね
観察倍率:120倍

【作者コメント】

近くの湖で採ったハグロトンボのはねを観察したら、はねのすじのほかに、ダイヤモンドのように、キラキラと輝くものがたくさん見えて、たいへん驚きました。なぜ輝いているのか調べてみたいと思います。

【山村先生からのコメント】

思わずディスプレイで拡大して見いってしまったほど、シャープで細かな写真に驚きました。濃い緑と黒が細かくまざった微妙な色合いや、表面のざらっとしたようすがくわしく見てとれます。顕微鏡写真としてすごい!…迫力の写りで特別賞です。トンボなのに羽根がすき通っていないユニークなこのトンボは、ぼくも大好き。体の他の部分もじっくり観察して、キラキラの正体追求にもぜひチャレンジして下さいね。

子供の科学賞

かぼちゃから生まれたまっくろ

作者名(ペンネーム):いっちゃん(6歳:男)
観察物:かぼちゃにはえたカビ
観察倍率:60倍

【作者コメント】

かぼちゃのカビをそだてました。

【子供の科学編集長からのコメント】

かぼちゃで育てたクロカビかな? まっくろカビのミクロの世界に、こんな球形がズラリと立ち並んだきれいな世界が広がっているとは……はじめて「胞子のう」を見た感動が伝わってくるような一枚です。このかぼちゃのカビの他にも、やっつけた蚊の複眼や手についた海苔など、さまざまな身近な生き物を観察して送ってくれたいっちゃんさん。その素晴らしい好奇心と発見に、子供の科学賞を贈ります!

レイメイ賞

メダカの赤ちゃんのごはん

作者名(ペンネーム):ノスケ(10歳:男)
観察物:ゾウリムシ
観察倍率:20倍

【作者コメント】

学校でメダカの卵をもらったので育てています。メダカの赤ちゃんも食べられるゾウリムシも育て始めました。ハンディ顕微鏡は、ひとりでも観察や写真撮影ができて便利です。

【レイメイ藤井開発スタッフからのコメント】

観察物の形態に合わせてインカメラを使用した工夫に驚かされました!懐中電灯などで横から光を当てると、もっとくっきり見えるのでぜひ試してみてください!

大人部門賞

つぶつぶ

作者名(ペンネーム):さきもい(女)
観察物:カラーコンタクト
観察倍率:250倍

【作者コメント】

カラコンの模様を観察したら小さいドットで出来ていた。携帯がブレないように顕微鏡に合わせてスタンドを旦那さんに作ってもらいました。観察しやすかったです^^

【山村先生からのコメント】

大人部門にはハイレベルな応募がたくさんありました。その中で、なんともふしぎな写真を見せてくれたさきもいさんが部門賞です。カラーコンタクトの微妙なグラデーションって、大きさが異なるドットを並べて作り出しているのですね。旦那さんが作った撮影用スタンドもグッド。写真のシャープさにひと役かっていると思います。お二人の連係プレーでの受賞ということで…拍手!

入賞

トゲトゲくん

作者名(ペンネーム):ねこうた(7歳:男)
観察物:イシダイのうろこ
観察倍率:250倍

【作者コメント】

ぼくは魚が大好きで、お父さんと一緒に魚をさばいて、料理しています。今までいろいろな魚をみてきたけど、ウロコに違いはあるのかな?とふしぎにおもってかんさつしてみました。そしたら、トゲトゲがあるもの、ないもの、しまもようがみえたりしました。イシダイのウロコは5ミリくらいで、とても小さいのに、顕微鏡でみると、こんなトゲトゲが見えて驚きました。

【山村先生からのコメント】

こんなうろこがあるんだ~とびっくりしました。写りもシャープで感動。豆電球懐中電灯などの光を使うと、青っぽさが減ってまた別の雰囲気になりますよ。試してみて!

蝶が生まれたよ

作者名(ペンネーム):ヒーロー(9歳:男)
観察物:キアゲハ
観察倍率:100倍

【作者コメント】

出かける前に母が蝶が生まれたから観察しないとと二人で写真を撮りました。動くので難しかったです。母は僕が諦めた後もずっと粘って写真を撮っていました。蝶の羽をよく見ると四角く模様があってビックリしました。

【山村先生からのコメント】

ハンディ顕微鏡「petit」の能力をめいっぱい使って、チョウの羽の表面をしっかりとらえました。四角い模様はりんぷんです。高倍率のRXT300などで観察すると1個ずつの形が見えますよ。

納豆の袋?

作者名(ペンネーム):うに。(11歳:女)
観察物:カーテン
観察倍率:20倍

【作者コメント】

カーテンは、どういう仕組みなのか気になって、観察した。納豆の袋みたいな形をしていた。

【山村先生からのコメント】

カーテンのレース布が持つふわっとした感じの理由や、空気や光を通すしくみがよくわかります。写真もシャープで美しい。ハンディ顕微鏡「petit」の低倍率をいかした好作品です。

不織布マスク!

作者名(ペンネーム):ひろと11歳(11歳:男)
観察物:不織布マスク
観察倍率:250倍

【作者コメント】

普段使っているマスクを観察してみた。

【山村先生からのコメント】

木綿などとちがい(繊維)糸の太さがそろっていることや、重なった部分がくっついているようすが見てとれる、発見いっぱいの作品。背景の色あいも、光のあて方もばっちりでしたね!

フクロ

作者名(ペンネーム):タコジャラシ(13歳:男)
観察物:鮮度を保てる袋
観察倍率:120倍

【作者コメント】

鮮度を保てる袋はただの袋と違うのか気になりました。

【山村先生からのコメント】

降りつもる雪のようなファンタジックさが印象的。白い点はたぶん小さな穴で、空気が出入りして野菜などの鮮度を保つのかもしれません。見てみようと感じた着目力が好評価です。

「ミクロ写真コンテスト」のサイトでも詳しい結果を見られます!

山村紳一郎先生よりもっとうまく撮るためのプラスワンポイント

スマホをしっかり固定しよう」…ぐらぐらすると撮りにくい。クリップの活用はもちろん、スタンドを工夫したり他の人に支えてもらうのでもいいね。

ピントをていねいに合わせよう」…調節はゆっくり少しずつ。ピントリングの場合は、強く握らずに指先で軽くまわす。全体に合わなくても、狙ったところがはっきり見えるように。

光の当て方を工夫しよう」…顕微鏡に付属しているライトの他、懐中電灯でいろいろな方向から照らしてみよう。見え方が大きく変化するよ。

背景にも気を配ろう」…背景の明るさや色でぐっと見やすくなることも。黒や白、または色紙を置いたりすると変化がついて、きれいなミクロ写真になるよ。

みんなもぜひハンディ顕微鏡を手に入れて、おもしろい写真を撮ってみよう! いい写真が撮れたら、子供の科学の写真コンテストにも送ってくださいね。

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子供の科学編集部 著者の記事一覧

1924年創刊の小中学生向け科学月刊誌。話題の科学ニュースを、どこよりもおもしろく、わかりやすく解説。宇宙、生き物、テクノロジーなど、好奇心旺盛な子供たちがわくわくする科学をお届けします。創刊以来、研究者や医師、エンジニアなど一流の人たちが子供時代に読んでいた雑誌として知られています。また、毎月工夫をこらした実験や工作を多数紹介。手を動かしてものづくりをする体験を提供しています。子供向けのプログラミング学習記事も充実。記事の内容と連動したプログラミングキットの開発も行っています。

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