オンライン版「KoKaひろば」《8月16日号》

 暑い日が続いているけど、みんな元気に過ごしているかな? 8月中、毎日更新している「コカねっと!夏のスペシャルサイト」は折り返し地点を回って後半戦突入! 今週もおもしろコンテンツが続々アップされるから、毎日見に来てね。

 今回のオンライン版「コカひろば」は、編集部員の読書について取り上げたゾ。編集部員の好きな本を参考に、この夏読む本を決めてみては?

編集部の人たちの好きな本は何ですか?

(神奈川県・ハニーポップコーンさん/小6)

「日がかたむき、建物や木のかげが地面に長くはいはじめたころ、ジュハーの家には、もう子どもたちが集まっていました。ジュハーは井戸水につけてよく冷やしたスイカを子どもたちにくばりました。

「暑いときの冷えたスイカは、おいしいものだね。みんなはこのスイカの値段を知っているかい?」

「うううん、いつもお母さんが買ってくるから知らない。でも、そんなに高いものじゃないと思うけど。」

「そうだよ。スイカなんて安いものだ。だが、その代金をとんでもない方法で、はらった人がいる。」

「へえ。いったいどんな方法で、はらったの? きかせて、おじさん。」

「よしよし。では、スイカを食べながら話そうか。」

ジュハーはあごひげをなでながら、子どもたちに語りかけました。」

(『アラビア物語Ⅳ-ジュハーおじさんのお話-』川真田純子・訳、天野喜考・絵/講談社)

 こんな調子で、やさしいジュハーおじさんが「アラビアンナイト」の世界を語ってくれる『アラビア物語』(講談社青い鳥文庫)という本がとても好きだったぞ。

 王子様やお姫様、魔神や怪物、さまざまな動物が登場して、ワクワクドキドキの冒険を繰り広げるんだけど、アラビアンナイトの世界は他の国のお話とはちょっと違った特徴を持っている。それは、数字やお金がたくさん出てきて、それが重要な意味を持っているってこと。

 例えば、「托鉢僧
たくはつそう
の知恵」というお話の中で、「あらゆる品物が、それぞれの価値に関係なく、同じ値段で売られている」という不思議な町が出てくる。

 もし、そんな町があったらみんなは住んでみたいかな?

 リンゴ1個でも、ゲーム機1つでも、ジブン専用パソコンフルセットも、3Dプリンターだって、ぜ~んぶ同じ値段で買える町ってことだ。

 なんかイヤな予感がするよね。

 どうしてイヤな予感がするのかは、ぜひ、自分で考えて、本を読んでみてほしい。

数やお金、価値について考えるよいきっかけになるはずだぞ。 ちなみに、『アラビア物語』の挿絵を描いているのは、大ヒットゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインを手掛けた天野喜孝
あまのよしたか
さん。この絵もまた素晴らしいのだ。(バッシュ)

 たくさんありすぎて難しいけど、塩野七生
しおのななみ
さんの『ローマ人の物語』シリーズと、夢枕獏
ゆめまくらばく
さんの『陰陽師
おんみょうじ
』シリーズは昔から何度も読み返しているよ。

 ちょっとホラー?っぽいけど、ミステリーを書いていた今邑彩
いまむらあや
さんの作品も好きだったなぁ。今邑さんの作品は多分全部家にあるんじゃないかな…って、話してたら読みたくなってきちゃった。また読み返そうかな!(すぎっこ)

 アニメーション映画監督の宮崎駿さんがつくった『シュナの旅』(徳間書店、アニメージュ文庫)という本が好き! チベットの民話をもとにした本で、荒れた土地の小さな国に生まれた王子が、はるか遠くまで麦の種を探しに行く物語なんだ。全ページにわたって描かれた美しい水彩画は必見! ところどころに『風の谷のナウシカ』や『もののけ姫』などを思い起こさせるようなエッセンスもあり、スタジオジブリファンや宮崎監督ファンにおすすめの一冊だ。(イワン)

 『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』。ポール・オースターというアメリカの作家が、ラジオ番組のために全米から募集した実話から選んでまとめた本なんだ。ごく普通の人たちが体験した、ちょっと普通じゃない話(でも実話)で、思わず笑ってしまうものや、不思議な体験、ほろっとしてしまうものまで、短い話がたくさん入っているよ。読んでいて、みんなおもしろい経験をしているんだなあと思いながら、ひょっとしたら自分も何か体験するのかも、とちょっとわくわくしたよ。(タケモ)

 好きな本をジャンルでいうと純文学かな。中でも夏目漱石
なつめそうせき
の『こころ』はたまに読み返したくなる1冊。他にもSFやファンタジーなど、別のジャンルでも好きな本はたくさんあるよ。ちなみに今読んでいる本は「ギリシア神話」。名前ぐらいは知っていたけど…っていう神々がたくさん登場して、うろ覚えの知識がちょっとだけアップデート。でも誰と誰が親子で兄弟で…っていうのがややこしいんだよねぇ。(しんしん)

 衝撃度でいうと、綾辻行人
あやつじゆきと
の『十角館の殺人』(講談社文庫)かなぁ。高校生のときに読んで衝撃を受けて、ミステリーをいろいろ読むきっかけになった本だ。文章っておもしろい!と思って、それが今の仕事につながっている面もある。

 ネタバレになっちゃうから説明するのはむずかしいんだけど、最後に出てくる一行でぜんぶがひっくり返ってしまうという、もうとにかくたった一行が衝撃なんだ。この本はこの一行のショックが強すぎて、これを忘れてしまわない限り、もう一回読もうという気にならないんだけどね……ツッティーはもうちょっと歳をとったら忘れるかもしれないから、そしたらもう一回楽しめるかも?

 この本を読む前に、ミステリーの名作、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』を読んでおくといい。『十角館の殺人』はこの作品のオマージュになっているからね。ツッティーは当時、それを知らないで読んで、後から知ってアガサ・クリスティも読むようになった。(ツッティー)

第3週目のプレゼントは「ビーカーくんグッズ」各種!

 今週も「コカひろば」の投稿大募集! みんなの夏休みの様子や、つくった工作、やった実験、宿題のこと、家族や友達のこと、KoKaを読んだ感想などなどおたよりを送ってね。

 今週おたよりに採用された人には、なんと! ビーカーくんグッズをプレゼントするよ。

 今週から、通常の「コカひろば」投稿と区別するため、「夏のスペシャルサイト」の「オンライン版KoKaひろば」投稿の送り先を以下に変更。コカメンバーの登録は必要ない。そのかわり、プレゼントの送り先住所を記入してね。

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