外からエアコンをつけられる装置をつくろう!②

 obniz(オブナイズ)は、センサーやモーターなどの電子部品を、インターネット上でかんたんに操作
(そうさ)
できるようにするシステムで、obniz OS(オブナイズ オーエス)、obniz Board(オブナイズ ボード)、obniz Cloud(オブナイズ クラウド)で構成
(こうせい)
されている。obniz OSが搭載
(とうさい)
されているマイコンボードobniz Boardに接続
(せつぞく)
した電子部品は、インターネット上のobniz OSを経由
(けいゆ)
してパソコンやスマートフォンから遠隔
(えんかく)
操作ができる。これを使うと、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)がかんたんにできるんだ。

 『子供の科学』本誌
(ほんし)
では、obnizを使って家をスマートホーム(いろいろなものをインターネットにつないで遠隔操作できる家)にするための装置
(そうち)
をつくる連載
(れんさい)
をしてきた。

 これまでの連載は「obnizでつくろうスマートホーム!」バックナンバーで公開しているよ。これまでにつくった装置のつくり方を解説
(かいせつ)
しているので、まだ見たことがない人は見てみてね。Web連載は、本誌の連載の
(つづ)
きになっているので、基本的
(きほんてき)
なことがわからなくなったら、本誌のバックナンバーを
()

(かえ)
ろう。

 この連載では、「KoKa obnizスマートホームキット」が必要なので、持っていない人は「KoKa Shop!」で手に入れよう。プログラミングはスマートフォンを使うよ。親子でいっしょに取り組んでみてね。

 さて、前回から家の外からエアコンのオンオフができる装置をつくっているよ。前回つくったプログラムで、obnizがエアコンのリモコンから出ている赤外線
せきがいせん
記憶
きおく
したよ。今回は、いよいよ、エアコンを遠隔操作するプログラムをつくっていくよ。スマートフォンにエアコンの操作画面を表示させて、そこで操作することでエアコンをコントロールするよ。

1 スマートフォンからエアコンをコントロールするしくみを考える

 前回、エアコンの暖房
だんぼう
をつけるとき、停止するときそれぞれのリモコンからの赤外線を記憶したよね。obnizの場合、つくったプログラムも記録したデータも、インターネット上のobniz Cloudに保存されている。

obnizのしくみ
obnizのしくみ。obniz Boardとスマートフォンはインターネット上のobniz Cloudにそれぞれつながっている。スマートフォンでプログラミングしたプログラムも、obniz Boardのセンサーなどからのデータも、obniz Cloudで保存されている。

 前回つくったプログラムによって、暖房をつけるときのリモコンからの赤外線は「暖房」、停止するときのリモコンからの赤外線は「停止」という名前で、それぞれの波形
はけい
データがobniz cloudに保存されている。

 今回つくるプログラムではスマートフォンで「暖房」または「停止」という指示を出すと、obnizにつながった赤外線送信・受信モジュールから指示された赤外線を発信させるというしくみをプログラミングするよ。これが完成すれば、世界中のどこからでも(スマートフォンがつながるところなら)、家のエアコンをコントロールできるようになるよ!

2 プログラミングしよう!

 まずはじめに、スマートフォンの画面に「暖房」と「停止」のボタンを表示させるよ。その後、「暖房」ボタンを押すと、赤外線送信・受信モジュールから「暖房」の赤外線が送信されて暖房がつき、「停止」ボタンを押すと停止する赤外線が送信されるプログラムをつくっていくよ。

 obniz Boardにつないだ電池ボックスのスイッチをオンにして、スマートフォンでプログラミングエディタを立ち上げよう。立ち上げる方法は、「obnizの新しい「アプリ」を使ってみよう!」の「アプリでプログラムをつくってみよう」を参考にしてね。アプリ名は「エアコンコントロール」にしたよ。

① 赤外線モジュールをobnizに接続するためのブロックを用意しよう。
 電球のアイコンから「“obniz”に“irmodule”を接続する」を取り出してつなげよう。数字はそのままで大丈夫だよ。

赤外線送信・受信モジュールをobniz Boardにつなげるプログラム

② スマートフォンに「暖房」「停止」それぞれのボタンを表示させるプログラムをつくっていくよ。
 手のアイコンから「“button”を“test”で作る」を2つ取り出してつなげよう。どちらのブロックでもいいので「button」をタップし、「New UIButton variable」を選択しよう。

ボタンを作るプロックをつなげる

③ 画像のようなメッセージボックスが表示されるよ。「button2」と入力して、「OK」をタップしよう。

ボタンの変数名を変える

④ 「“button”を”test”で作る」の「button」をタップすると、「button2」が選択できるようになっているね。1つ目はそのまま「button」に、2つ目は「button2」にしよう。

「button」と「button2」にする

⑤ 1つ目の「text」を「暖房」、2つ目の「text」には「停止」と書きかえてね。

それぞれのボタンに「暖房」と「停止」という名前にする

⑥ ボタンをタップしたら、obniz Boardの赤外線送信・受信モジュールからボタンに応じた赤外線が発信されるようにするよ。「暖房」ボタンを押すと、前回のプログラムで記録した「暖房」の赤外線が送信され、「停止」ボタンを押すと「停止」の赤外線が送信されるようにする。
 矢印が円を描いているアイコンから「ずっと~実行」を、二本の矢印のアイコンから「もしも“true”実行~他」を取り出してつなげよう。

ループ部分をつくる

⑦ 「もしも“true”実行~他」のプラスボタンをタップして、「他でもしも“ ”実行」を表示させよう。一番下の「他」は使わないので、横のマイナスボタンを押して消そう。

分岐の設定

⑧ 手のアイコンから「“button”がクリックされた」を2つ取り出して、「もしも“true”実行」「他でもしも“ ”実行」の“ ”の中に入れよう。「他でもしも“ ”実行」の中に入れたブロックは、「button」をタップして「button2」に変更しよう。

「button」と「button2」により分岐するプログラム

⑨ 電球のアイコンから「“irmodule”から“ ”の赤外線を送信する」を、人のアイコンから「クラウドから“key”をロードする」をそれぞれ2つずつ取り出そう。
 画像を参考にしてつなげてね。1つ目の「クラウドから“key”をロードする」の「key」は「暖房」に、2つ目は「停止」に書きかえよう。

buttonによって、暖房と停止の赤外線をそれぞれロードするプログラム

 これでプログラムは完成だよ! さっそく家のエアコンでためしてみよう。

3 エアコンを遠隔操作してみよう!

 まず装置をエアコンの近くに設置しよう。そのときに、赤外線の受信部分に、obnizにつなげた赤外線送信・受信モジュールが向くようにしてね。
かべ
などに貼り付ける場合は、モバイルバッテリーがちょっと重いので落ちたりしないように固定しよう。装置が設置できたら、モバイルバッテリーの電源をオンにしよう。

エアコンの近くに装置を設置する
obniz Boardにつなげた赤外線送信・受信モジュールがエアコンの赤外線受信部に向くように設置する

 その後、他の部屋やベランダなど、エアコンから離れた場所にスマートフォンを持って移動しよう。そのとき、エアコンの電源はオフにしておいてね。

 スマートフォンで「エアコンコントロール」のプログラムを実行し、「暖房」ボタンをタップしてみよう。エアコンがオンになったかな。「停止」ボタンをタップすると、エアコンはオフになったかな。家族に協力してもらって、確認してみよう。

スマートフォンでプログラムを実行
スマートフォンでプログラムを実行したら、ボタンで操作してみよう!

 記録させる赤外線を変えれば、季節によって冷房をつけたり、温度調節
おんどちょうせつ
もできる。また、リモコンでコントロールする他の電化製品でも使えそうだよね。プログラムを改造して、いろいろなものを試してみよう!

(写真/青柳敏史 イラスト/新保基恵)

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電子工作の記事執筆や、動画制作をしています。

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